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地域周産期保健医療体制づくり連絡会

 26日(木)夜宮崎市中央保健所で上記連絡会が行われました。中央保健所管内の行政の福祉保健担当者や大学、県立宮崎病院、市郡医師会病院、古賀総合病院、児湯医師会、西都市西児湯医師会や消防署代表が集まり、周産期保健医療体制づくりを担う会です。今回は宮崎大学付属病院産婦人科病院教授の山口昌俊先生が『出生前診断における遺伝子診断の問題点』と題して講演があり、そのあとテーマに則して事例報告及び検討会が行われました。出生前診断というと羊水検査を思い浮かべますが、羊水検査と新しい出生前遺伝学的検査である母体血胎児染色体検査(NIPTと略)は大きく異なります。羊水検査は県内の大多数の産婦人科で検査可能ですが、NIPTは限られた施設でしか行えません。宮崎県では出来ない検査です。出生前診断を希望される多くの方は漠然とした不安から希望されるようです。宮崎では、山口先生のグループが「遺伝カウンセリング」を行っています。出生前診断や、もしかして遺伝?と思ったり、心配な時は ℡ 0985-85-9766 まで御連絡くださいとのことでした。

都道府県医師会小児在宅ケア担当理事連絡協議会

 25日午後は、上記協議会拝聴のため、臨時休診とさせていただきました。ご迷惑をおかけしました。
 *医療的ケア児(日常的に医療的ケアを必要とする子ども)は医学の進歩を背景としてこの10年で2倍に増え18,000人を越えています。平成27年〜29年でみると2年で1,900人増加し、その40%が人工呼吸器を装着している現状です。そして、在宅人工呼吸療法を受けている小児患者数もこの10年で10倍に増え、子どもやその家族を取り巻く様々な問題が提起されています。そんな中、先駆的な取り組みをはじめている県や医師会があることを知り、勉強になりました。私自身も現在日本小児医療保健協議会(四者協:日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会、日本小児期外科系関連学会協議会)の重症心身障害児(者)・在宅医療委員会の委員を拝命している関係で得るものが多かったです。行政からの参加もあり、宮崎でも少しずついい方向に進んでいく事だと思います。ありがとうございました。

休日在宅医

 3連休中日の22日(日)、台風接近による暴風注意報や竜巻注意報が出る中の休日在宅医。さすがにいつもほどの混雑はありませんでした。まだ当院ではインフルエンザは出ておらず、RSウイルス感染症の方がみられています。また、先週久しぶりに腸管出血性大腸菌が検出された子どもがいました。両親にも感染し点滴加療になったようです。運動会等が行われる時期、特に食中毒予防に留意する必要があるようですね。こういう天気のせいか、喘鳴が出ていると来院された子どもも多かったです。明日、明後日に運動会が延期になったところもあるようです。天気が回復しているといいですね。9月の在宅医が終わったばかりですが、来月最初の日曜日も休日在宅医です
 ☆10月6日(日)は、休日在宅医です。午前9時〜12時、午後2時〜5時まで。ネットや電話での予約も受け付けます

当院のインフルエンザの予防接種に関して

 インフルエンザの予防接種を10月1日から開始することにします。例年インフルエンザワクチンの納入時期がはっきりせず、今年も当初10月7日から接種開始する予定でしたが、今年は既にインフルエンザの流行が始まったこともあり、卸の方も10月1日にはワクチンの納入を間に合わせるとの確約が入りましたので接種開始を早めることにしました。1回の接種料金は、10月から消費税が10%になることもあり、税込みで3,300円とさせていただきます。御了承ください。 ☆9月22日(日)は、休日在宅医です。午前9時〜12時、午後2時〜5時まで。ネットや電話での予約も受け付けます

乳幼児学校保健研修会(午後の部)

午後最初の講演は東京都医師会会長の尾崎治夫先生の「喫煙防止教育」。タバコを吸わない大人を作りたい、何故なら依存症になる割合はヘロイン、コカインよりニコチンが高いし、禁断症状はアルコール>ヘロイン>ニコチン>コカイン、一旦依存症になるとやめにくいのは アルコール=ヘロイン=ニコチン=コカインでかつ若い脳ほど依存が形成されやすいから。尾崎氏も以前はヘビースモーカーだったようですが、タバコをやめて何回も再発していた胃潰瘍が全く起こらなくなったことからタバコのことを勉強し、喫煙防止教育に情熱を注ぐようになったとか。タバコの奴隷として心も体も操られ、一生お金を払い続けるというスライドは印象的でした。次の2演題は性教育に関して。最初はかわむらこどもクリニックの川村和久院長が小学生対象の性教育について。親子で学ぶ性教育の実践を話されました。その後に富山の女性クリニックWe!TOYAMA代表で今年から産婦人科と県議の二足のわらじをはいている種部恭子氏が「健康な性を育むための中高生の性教育」と題して講演。今までにない子供達の心にも届くとても納得できる性教育をされているなと感じました。健康な恋愛で心を育て、かつ社会的な不具合を示すアウトカムである若年出産を防ぐために、中学生〜高校生には「恋愛の禁止」や中絶や性感染症による脅し教育ではなく、科学的な知識と、ネゴシエーション(意見や方向性の不一致が生じたどきに合意や調整を図ること)のためのコミュニケーション能力を習得できる包括的性教育が必要との理念のもと情熱的な講演でした。そのコミュニケーション能力を培うのに最適なのが恋すること。「恋する年齢で学ぼう」というのが最後のスライドでした。

乳幼児学校保健研修会(午前の部)

午前10:00〜午後4時まで東京で「小児科医として知っておきたい学童・思春期の健康教育」をテーマに5つの講演がおこなわれました。午前中最初は岡山大学大学院教育学研究科の伊藤武彦教授が「やってみたくなる健康教育」として講演。静岡県で行われている5歳の食育事業〈レッツ5キッチン〉を紹介。子どもたち自身が地域の方々のきょうりょくをえながら畑作りから1年かけて育てた食べ物を、栄養士の指導のもと出汁の取り方や調理器具の使い方を学び調理し食事するというものでした。2演題目は、宮崎大学医学部発達泌尿生殖医学講座の盛武浩教授が「小児がんについての基礎知識」という話。小児がんは1人/1万人、毎年2千人発症している現状です。7〜8割は助かる時代になったようですが、年間400人亡くなっているそうです。今や不治の病ではなくなった小児がん、患児のみならず、兄弟、両親の精神的な負担をいかに軽減するか、長期のフォローアップ体制の構築、また、精巣がん早期発見の啓蒙や胃がん、子宮頚がんの予防の重要性と最新の治療である分子標的療法と免疫療法も紹介、巧みなスライド構成と話術であっという間の1時間でした。

急病センター準夜勤務

 12日(木)は、宮崎市夜間急病センター準夜帯勤務でした。診療開始前の控え室でニュースを見ていると、なんと宮崎でインフルエンザの流行が始まったとのこと。今は国富、綾など5ー9歳の年齢での報告が多いと報道していました。この報道や、蒸し暑い日が続き運動会の練習もあってるせいで多いかなと覚悟していましたが、インフルエンザを心配しての来院はありませんでした。まだRSウイルスでの来院がありました。病気の季節性がなくなってきている感じです。
*14日(土)午後は、宮崎県園医部会総会並びに講演会出席のため、午後の診療を臨時休診とします。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
 この週末、三連休の方もいらっしゃるかもしれませんが、私の場合、15日(日)は日本小児科医会の乳幼児学校保健研修会で一日研修会(今回は宮崎大学小児科の盛武教授が演者の一人です)。しっかり勉強しなさいということでしょうか。連休最後の16日(月)は日本小児科医会の地域総合小児医療認定医委員会で東京出張です。飛行機に乗る機会が多い9月となりました。
 来週22日(日)は、休日在宅医。23日の休みがちょっと待ち遠しい。

成育基本法推進全国大会

 7日午後休診をいただき、東京で行われた成育基本法推進全国大会に出席してきました。超党派の議員立法で成立した基本法ですが、これから法律に魂を入れていく作業が行われます。日本小児科医会も委員会を作り、成育医療等協議会に要望事項をまとめる作業が行われています。法的裏付けのもと、各地域で行動を起こすことが求められています。今回は基本法成立に中心的役割を果たした自見はなこ議員が最後に講演をし、子ども家庭庁の創設もめざすことが語られました。翌日の日本小児科医会理事会は,台風接近のため、帰りの飛行機がスムーズに飛ばない可能性が示唆され、残念ながら出席を断念。飛行機を午前中の便に変えて帰県しました。宮崎は他の地域と違って新幹線等代替交通がないことがネックですね。

宮崎県周産期医療協議会

 2日(月)夜7時〜県庁で令和元年度第1回目の宮崎県周産期医療協議会が開催されました。県の周産期保健医療ガイドラインの改定に向けて続いている会議ですが、いよいよ大詰め。年末に再度会議を開催し、来年度改訂版の発行というタイムスケジュールで進んでいます。今回は災害時の対応も含め、より実践的な使いやすいガイドラインが出来そうです。
 *9月7日(土)の午後は、日本小児科医会役員会等で、9月14日(土)の午後は県の園医部会総会&講演会で臨時休診となります。2週続けて土曜の午後休診となるのは、開業以来初めてです。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

第86回 小児科学会宮崎地方会

9月1日防災の日は、宮崎市で地方会が開催されました。びっくりしたのは百日咳に一度罹患した幼児が4週間ぐらいして再び感染したという報告があったこと。①サルモネラ腸炎から骨髄炎をきたしたケースがあったこと、②細菌性腸炎の6割がカンピロバクター腸炎でその3分の1が鳥刺し、鶏のたたきを食したことが原因と推測されたこと。一般的な病気にも重篤な疾患合併がありえること、外来でよくみる症状でも注意すべき疾患が多いこと、新しい診断ガイドラインや新しい疾患概念があることも勉強になりました。特別講演は「小児の食物アレルギーについて 〜現場の対応から予防まで〜」と題して山口大学の長谷川俊史教授が講演。アレルギー診療の主流は、“食べさせない”から“いかに安全に食べさせるか”という時代になってきて、今は“いかに感作させないか”というアレルギー発症予防に向かっていることをわかりやすく講演されました。充実した半日でした。