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鶏の生食見直しを

 今日の宮日新聞に厚労省が『激しい腹痛や下痢を引き起こす細菌「カンピロバクター」による食中毒が後を絶たないため、この夏から、飲食店などに生肉の提供を見直すよう呼びかけを始めた』との記事が1面に掲載されました。実際、当院でも鳥刺しを食べたり、十分焼かれていない焼き肉を食べた子どもたちから、カンピロバクターだけでなく、サルモネラや病原性大腸菌が多数検出されています。准看護学校の小児科の講義でも、「鳥刺しは食べないように、食べるときは細菌性腸炎にかかる覚悟で」と話しています。新鮮かどうかは関係ありません。記事によると『25年以上カンピロバクターを研究している宮崎大学農学部の三澤教授は「感染して数週間後に手足や顔面のまひ、呼吸困難などを引き起こすギラン・バレー症候群を発症する例もある。子どもや高齢者に食べさせないなど消費者の心構えも必要」と話す』とありましたが、子どもや高齢者だけでなく、みんな肉の生食はしないようにすべきだと思っています。親が先に発症してから子どもへ感染するケースも数多く経験していますので。私自身は、宴会等で鳥刺しが出たら食べないか、頼むことが出来るときは、焼いてくれるように頼んでいます。

元気になあれ

静岡から送られてきたメールに感銘を受け、Faxさせて頂いたのがきっかけで静岡厚生病院の小児科医、田中敏博先生から『元気になあれ』という小冊子が送られてきました。日曜日の静岡新聞子育て欄に2012年4月からの1年間掲載されたコラムをまとめたものでした。小児科医は皆似たような経験をしているんだなぁと思うと同時に、そのことをうまく文章に記すということは別問題、こんな素敵な文章を書けるようになるといいのにとうらやましくなりました。早速、スタッフに紹介し、待合でも読めるようにしています。待ち時間に手に取ってみてくださいね。面識のない先生にFaxするのは勇気がいりましたが、いい出会いが出来てよかったなぁと思います。一歩踏み出すことは大事ですね。

高鍋町小・中学校合同学校保健委員会

 昨日の高鍋は30.1℃と暑かったようですが、今日は一転前日比-7℃の予報。寒暖の差が激しくなっていますね。
さて、27日(木)午後は高鍋町の1歳半健診。夜は町立美術館で学校保健委員会が開催されました。今回は、『早寝・早起き・朝ご飯』と題して、睡眠環境診断士の松岡浩蔵氏が講演されました。睡眠環境診断士なる資格があったのも知りませんでしたが、全国でもまだ13人しか取っていない中級の資格を持っていらっしゃるとか。早寝・早起き・朝ご飯は小児科医も使っている標語ですが、寝具・インテリア専門店「ねむりの駅 ライフショップまつおか」の代表取締役の方がどの様な講演をされるか興味津々で講演を聴きました。寝ると眠るの違いから始まりました。寝るは一時的休息、眠るは心と体の回復をさし、眠る(あえて寝る子ではなく)子は育つ、早起きは三文の徳(徳)とかのことわざを織り交ぜながら、親の背中を見て育つと親が率先することの大切さを強調されていました。最後に胸を大きく開いて深呼吸するとよく眠れると1分間みんなで体操をして講演を終了しました。今回出席できなかった方も、来年は是非足を運んでくださいね。

救急電話相談

 23日は、救急電話相談の当番でした。夜11時までの準夜帯で19件の相談。多くの方が利用されているようです。先日、宮崎市の山崎先生が、宮崎市の急病センターの年度別来院患者数と電話相談件数のデータをまとめてくださいました。
宮崎市の急病センターの来院患者数(1日平均患者数)は、平成11年度の5,720人(15.6人)から21年度は12,646人(34.6人)と2倍以上になっていますが、ここ数年は頭打ちになっています。一方電話相談件数(1日平均件数)は、平成22年度の4,253件(11.7件)から27年度の8,907件(24.4件)と5年間で2倍以上になっています。救急電話相談が、急病センター来院患者数の横ばいに寄与した可能性はあるようですね。インフルエンザなどが流行すると、急病センターは混雑し、待ち時間もかなり長くなります。これからの季節、診療時間終了後、心配なことがあったら先ず救急電話相談を利用してみて下さいね。
年度別来院患者数と電話相談件数_convert_20161025060745

サンデーラジオ大学

 せっかくの日曜ですが、雨の一日でした。台風や日照時間が短かったせいか、野菜が高いようですね。さて、みなさんサンデーラジオ大学って聞いたことありますか?つい最近まで私も知らなかったのですが、MRTラジオで日曜午後5時から毎週放送されている番組名です。ネットで調べると『薗田潤子のインタビューで構成するユニークなトーク番組です。内容は、その道一筋に生きている素晴らしい人に焦点を当て…その背景やエネルギーの根源、人間的な魅力などを描きます。また環境・経済・芸術などさまざまな分野で活躍するエキスパートや時の人に、宮崎における課題などを率直に提言していただき、リスナーと共に考えていきます。』とあります。放送終了内容を見ると、本当にいろんな分野の人が出演しています。この番組に、10月30日(日)宮崎市の三宅和昭先生が出演される予定です。麻しん・風しん撲滅に今も邁進されている先生のお話が聴けるよい機会です。日曜夕方テレビを消して、ラジオに耳を傾けてみませんか?

就学前健診

 20日(木)午後は、高鍋西小学校の就学前健診でした。78名が健診を受け、二人のDrで診たので私が39名の子ども達をみましたが、そのうち、約50%の20名がMRワクチンのⅡ期がまだなされていませんした。また、驚いたことに6人が1回も日本脳炎を受けていませんでした。今月1回目を受ければ、ぎりぎり公費で受けることが出来ます。役場の方も伝えて下さったようです。MRワクチンはもちろんのこと、まだ受けてない予防接種がある年長さんは出来るだけ早く受けて下さいね。
 *嬉しいニュース。前日は高鍋東小学校の就学前健診だったようですが、なんと100人を越えていたとのことです。久し振りに1学年4クラスが実現!?

秋期学術集会(2)

 特別講演Ⅱは、『ネット・スマホ時代の子ども達〜小児科医と考えるメディアリテラシー〜』と題して、九州医療センター 小児科医長の佐藤 和夫 医師が講演。日本小児科医会も「スマホに子守をさせないで」というポスターを使って小さい子どもにスマホや電子媒体を使うのを控えるよう啓蒙していますが、いろんな実験や統計から脳科学的にはかなりの悪影響を及ぼすことがはっきりしてきています。ある先生は、画面をめくるとき指を使いますが、その使いすぎで指のやけどを来した幼児を経験したということで、僕らの想像以上に子ども達に電子メディアは浸透しているようです。海外だと高校生でもスマホを持っているのは数%に留まるとのこと。それを考えると多くの子ども達がスマホを所有している日本は、子ども達と電子メディアのつきあい方を親子ともしっかり学ぶ必要がありますね。奇しくも、特別講演をされた二人の先生が同じ本を紹介されました。それは、子どもの実際の作文から生まれた『ママのスマホになりたい』という絵本。購入して待合で読めるようにしましたので、この絵本を一度手に取ってみて下さい。

秋期学術集会(1)

 16日(日)は、宮崎県小児科医会秋期学術集会が行われました。その前に今年度第2回役員会を開催。遅ればせながら、県小児科医会のホームページを作ることが決まりました。お母さん方の知りたい情報(地域の感染症情報、救急医療や健診・福祉情報等)を毎週更新し、小児科医も含めこのホームページを見れば、県内の子どもに関する情報は手に入るようにしたいと思っています。アクセスしたくなるホームページにするべく、アンケートも行い、出来るだけいいものを作りたいと思っております。御協力のほどよろしくお願い致します。
 さて、昨日の特別講演Ⅰは『個性と障害の境界〜脳科学から見た神経発達障害群〜』と題してBrain-Lab こころの相談室代表 足立 明彦 先生の講演。これまで広汎性発達障害とよばれていた神経発達障害群は、何かが出来ないという困りではなくて、なにかと右利きに都合よく出来ている(カギの回す方向やドアノブなど等)社会で左利きの人が感じる不便さのようなもの。左利きであることを社会は容認し、左利きの人が不便さを我慢しているだけ。でも神経発達障害群の人たちは、怠け者とか努力が足りないとか言われ、精神的に追い込まれていることが多いということをいろんな例を使って話されました。神経障害群を理解するとその対処法がわかり、本人や家族、周囲の苦痛が少なくなるということを家族も先生達も知る必要がありますね。
 *19日(水)午後2時から3時半は、川南町の乳児健診のため、不在になります。当院での予防接種・乳児健診の時間がなくなりご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

妊婦さんへのインフルエンザ予防接種

 今日の予防接種の時間は、インフルエンザの予防接種がメインでした。さて、妊婦さんがインフルエンザの予防接種を受ける際に心配なのは、胎児への影響でしょう。インフルエンザをはじめ、不活化ワクチンは胎児への影響はないといわれています。
*今年は4月に熊本地震が発生し、ワクチンメーカーである化学及血清療法研究所が被災したことから、他ワクチンメーカーが増産する必要が出てきたため、チメロサールを含まない0.5mL製剤の生産は中止し、ロスの少ない1mL製剤に統一して、より多くのワクチンを生産することになりました。日本産婦人科学会は、ワクチンに含まれるチメロサールはごく少量であって胎児への影響はなく、自閉症との関連も否定されているとの産婦人科診療ガイドライン産科編2014のクリニカルクエスチョンを引用。「(チメロサールフリー製剤が)利用できない状況下で、かつインフルエンザの流行がある場合には、チメロサール含有ワクチン接種を躊躇しない」との一文を紹介し、チメロサール含有ワクチンを接種するよう促しています。日本産婦人科医会も、同様に状況と安全性を説明し、「なるべく早い時期に接種を受けるよう」、妊婦さんへの指導を呼び掛けています。

訪問救急教室in木城

 12日午前中は一真持田保育園健診で不在の時間があり、ご迷惑をおかけしました。その日の午後は、木城のリバリス大会議場で、めばえ保育園と、どんぐり保育園合同の訪問救急教室に出かけてきました。夕方の外来が混雑していたので、会場に着いたのが10分前。あわててプロジェクターの準備をしていたら、スクリーンに無数の縦縞が・・・。漫画で言えば私の顔の前に縦縞状態。私のパソコンとの相性がよかったので、講演にはいつも自分のプロジェクターを持参していました。普段は、前日にスライドをプロジェクターに映して確認しているのですが、先日使用したばかりだったので油断していました。幸い施設のプロジェクターを借りることが出来、7時の開催時刻に間に合い一安心。園からの希望テーマは「感染症の予防」。今回は、クイズ形式を多くして、聴衆参加型の講演を心がけました。講演終了後も多くの質問が出て、15分ほど時間が延長するほどでした。来年も多くの園で訪問救急教室が開催出来ることを願っています。
 

生涯研修in 佐賀

10日体育の日は、佐賀で行われた生涯研修に参加して来ました。午前中は、「親に知ってほしい発達障害児への具体的対応」と「心身症、不登校の子どもと親への支援」と題したに講演2題。お二人の経験豊富なお話、診療の実際のビデオもあり、ためになりました。その次は「熱性けいれんの病態とマネジメント」。新知見の紹介もあり、当院の熱性けいれんの新しいパンフレット作りに生かしたいと思いました。そして午前中最後は、今話題のデング熱とジカ熱に関する講演でした。お昼は「小児急性胃腸炎診療ガイドラインと経口補水療法」でもうすぐ発表されるガイドラインに直接関わった先生から最新の情報を得ることが出来ました。午後からの特別講演は、有田焼で有名な佐賀らしく人間国宝の井上萬二氏による「陶芸への道(心)」で、人生の機微に触れることが出来ました。天気の良い日で、スポーツが出来なかったのは残念でしたが、頭の体操になった一日でした。

休日在宅医

 大雨の予報が出ていた9日。運動会が延期になったところもあるようですね。こんな天気だし、いつもよりゆったりとした在宅医になると思っていましたが、午前中は点滴や検査等意外と混雑してしまいました。いつもより喘息発作での来院が多かったように思います。
マイコプラズマ感染症は相変わらずで、10月になっても暑い日が続くせいか、手足口病も増えてきている印象でした。終わってみればいつもの在宅医でした。明日は体育の日。天気も回復しそうです。スポーツ楽しめそうですね。
 *連休明けの11日(火)は准看護学校の最後の講義。予防接種・乳児健診の時間縮小でご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。また、翌12日は一真持田保育園の健診のため午前10時〜11時まで診療の出来ない時間帯が生じます。御注意くださいね。

宮崎県小児救急電話相談事業運営協議会

 6日(木)は、午後新富町の1歳半健診を終えたあと、宮崎県小児救急電話相談事業運営協議会に参加してきました。4時半〜6時半まで『宮崎県小児救急電話相談スキルアップを目指して part2 〜ご意見を通して考える小児救急電話相談のあり方〜』と題して東京海上日動メディカルサービス、健康プロモーション事業部メディカルコール事業室次長、三木洋子看護師の話がありました。救急相談看護師12名中11名が参加。声のトーンや相づちの入れ方、相手に寄り添う話し方、相手を否定しない言い回し等、実際にあったクレーム等も取り入れ、とてもわかり易く実践的な講義でした。
 その後、懇談会があり、最初看護師5名で始めた苦労話から、10年一昔とはよく言ったもので、スタートから11年を経過して今のお母さん達と昔のお母さん達との違い等生の話が聞けました。これまでの御協力に感謝して盛会のうちに終えました。
☆10月9日(日)は休日在宅医です。診療時間は午前9時〜12時、午後2時〜5時です。通常診療と異なり、予約は出来ません。 

虐待通告

 先月の新聞記事に、『虐待を受けている疑いがあるとして、今年1〜6月に全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは、2万4511人と過去最多となった』とありました。宮崎県は29人と全国で最も少なかったとのこと。いろんなバイアスがかかる可能性があるので、手放しで喜べる数字かどうかははっきりしませんが、少なかったことは素直に喜びたいと思います。内容的には心理的虐待が最多とのこと。子どもに対する愛情が希薄だと心の面は当然のこと、身体的発育も阻害されます。生命の危険があるなどとして警察が保護した子どもは、1,511人と昨年より399人も増えたとのこと。悲劇が繰り返されないためには、望まない妊娠が少なくなること、経済格差をなくすことが少なくとも必要でしょうか。

日本脳炎の発生

先々月から先月にかけて、対馬で4人の日本脳炎がでたとのメールが届きました。以下毎日新聞長崎地方版からの引用です。
『県は30日、対馬市内の70〜80代の男女4人が日本脳炎になったと発表した。県内での患者発生は2013年9月以来で、全国では今年初。幼児や高齢者がかかると死亡リスクが高くなるといい、県が注意を呼び掛けている。県医療政策課によると4人は8月20日〜9月15日、発熱などを訴えて入院した。日本脳炎と診断され、髄膜炎や意識障害などの重症という。4人の行動に共通点はなく、別々に感染したとみられる。日本脳炎は、ウイルスを持っている蚊(主にコガタアカイエカ)に刺されることで感染する。人から人へは感染しない。発病率は100〜1000人に1人程度だが、脳炎を発症した場合の致死率は20〜40%。』日本脳炎はまだまだ過去の病気ではありません。予防接種率が低いことが問題になっています。今一度母子手帳を確認してくださいね。

B型肝炎ワクチン定期接種開始

 10月1日、B型肝炎ワクチンの定期接種が開始になりました。同時にインフルエンザの予防接種もスタート。B型肝炎ワクチンの定期接種開始を待っていらっしゃった方が多かったようで、今日はいつもの2倍の予防接種予約が入りました。今日は看護師が1減だったため、診療も混雑してご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫び致します。
 さて、先月末から診察室での変化がひとつ。レントゲンのシステムが新しくなりました。それに伴い、撮影結果を見るモニターも大型化、モニター上で前回の写真と比較が出来たり、いろんな機能が追加されました。今月末には電子カルテとの統合もでき、より便利になる予定です。レントゲンを撮るようなケースは少ないに越したことはないのですが、今年はマイコプラズマ肺炎が多く、更新が問題なく完了したのでホッとしています。