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ゴールデンウイークの始まり

 昨日は大分由布で震度5の地震で、観光地では影響も出ているようですね。昨日久し振りに孫と会えました。いつもの事ながら、子どもたちの成長の早さには驚かされます。天気が良かったので公園に行ったのですが、いつも以上に子ども連れが多い印象。外に出て思い切り遊び回れる環境は、子どもには必要ですね。その点、公園の広場は最適。お金をかけなくても外遊びに子どもは喜び、なかなか帰ろうとしません。被災地の子どもたちには、このような環境はまだほど遠いようで、早く余震が収まることを願わずにはいられません。*今日は出かける前の受診が多いのか、外来が混雑しています。連休、遠出をされる方はくれぐれも無理なスケジュールを立てず、安全で良い思い出をたくさん作って下さいね。

子どもの声

 待機児童の増加で保育園の新設が望まれていますが、「子どもの声がうるさい」などの理由で認可保育園の新規開設が断念や延期に追い込まれているとの記事が出ました。この前県外の先生とお話しする機会があったのですが、あるところでは園の周囲に防音壁を考えているところもあるとのこと。塀に囲まれた園で子どもたちが日中過ごすなんてぞっとするねと話されていました。この地域ではあまり待機児童の事は聞きませんが、私が開業していた頃5つあった町立保育園が今ではわずか1園に。そこの健診を行っているのですが、今年は100名を越えるとのこと。園の先生達の負担はあまり変わってない感じですね。以前閉園される園長先生と話していたら、昔は子どもたちの声が響いていたのが、最近は子どもの姿を見る機会が減って寂しいと言われていたのを思い出しました。同じ声でも聞こえてうるさいと感じるか、聞こえないと寂しいと感じるか立場で変わるものですが・・・。子ども時代のない大人はいないはず。将来を担う子ども達にもっと寛容であってもいいのではと思うのは私が小児科医だからかな。
☆5月3日(火)は休日在宅医です。診療時間は午前9時〜12時、午後2時〜5時です。通常診療と異なり、予約は出来ません。

子宮頸がん予防ワクチンに関する関連学術団体の見解

 先週、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種推進に向けた関連学術団体の見解」というものが予防接種推進専門協議会の岩田敏委員長名で出されました。予防接種推進協議会に参加している学術集団は、日本小児科学会、日本小児保健協会、日本産婦人科学会、日本小児科医会、日本保育保健協議会、日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本渡航医学会、日本耳鼻咽喉学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本環境感染学会、日本ワクチン学会、日本ウイルス学会の15団体です。今回はそれに加え、日本産婦人科医会、日本婦人科腫瘍学会の2団体も加わっての見解です。「・・・この2年半に本ワクチンの有害事象の実態把握と解析、ワクチン接種後に生じた症状に対する報告体制と診療・相談体制の確立、健康被害を受けた接種者に対する救済、などの対策が講じられたことを受けて、本ワクチンの積極的な接種を推奨します。・・・」詳しくは下記アドレスを参照して下さい。http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20160418_HPV.pdf
そこに①本ワクチンの有効性、②本ワクチンの有害事象に関する国内外の再調査結果、③本ワクチン接種後に生じた症状に対する診療体制・相談体制、専門機関の整備等が示されています。この見解で接種する人が増えるかは不明ですが、増加傾向にある子宮頸がんを防ぐ必要があるということは理解して検診等も含め、しっかり自分の健康を守る対策を講じることは大事だと思います。

児湯医師会臨時総会

 21日午後は新富町の1歳半健診でした。ここでもMR(ましん・ふうしん)ワクチンを受けていない子どもや水痘が定期接種になっていることを知らない保護者がいました。お父さん、お母さん、今一度母子手帳を確認してくださいね。
 夕方は児湯医師会の新会長と理事等を決める総会がありました。熊本地震で亡くなられた方に黙祷をささげたあとに、開会。蟻塚副会長からの推薦で、会長は永友和之先生の続投が決定しました。理事には長年活躍された川南の喜多保一郎先生が退任され、代わりに同町から糸井先生が加わりました。その他の理事は私も含め留任。あと2年間児湯地域の医療が少しでも良くなるよう頑張ることになりました。よろしくお願い致します。
 最後に児湯医師会から熊本地震で被災された方に、義援金をおくることを全会一致で了承し、閉会しました。地震が早く終息するといいのですが。

ダニ刺症

今週に入って、マダニに刺されたとの来院が続いています。除去したマダニを持参されています。刺されてあまり時間が経っていないときはピンセットで取れることもありますが、その際ダニを圧迫しないよう注意が必要です。皮膚科で取ってもらうのがお勧めです。マダニが媒介する感染症として最近よく目や耳にするのは重症熱性血小板減少症候群ですが、その他にも日本紅斑熱、Q熱、ライム病など多彩です。これから9月ぐらいにかけてが、マダニの活動期です。特に「草木の多い所に入る時は、肌をなるべく出さないように」気をつけましょうね。以下は持参されたダニですが、吸血すると小豆大に大きくなることも。
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花粉

 スギ花粉の時期が過ぎ、ホッとしている方も多いかもしれませんね。でも、スギ花粉が過ぎると今度はイネ科の花粉の時期、4月17日の花粉飛散状況は、バラ科花粉 77個、コナラ属花粉 125個、イネ科花粉 65個、イチョウ花粉 62個、マツ花粉 10個、ヒノキ花粉 2個、キク科花粉 2個、不明・その他 27個(安達耳鼻咽喉科医院 安達 裕一郎 先生による)。いろんな花粉が飛んでいるんですね。
 *貴島テル子先生(享年100歳)の訃報が届きました。今日がお通夜で、お別れしてきました。『75年目のラブレター』『好奇心の数だけ生きられる』などの著書やテレビでご覧になられた方も多いかもしれませんね。ご冥福をお祈り申し上げます。

公衆衛生委員会

17日(日)は、日本小児科医会の公衆衛生委員会が東京で行われ出席して来ました。色々議論されましたが、先ず10月1日から定期予防接種として開始予定のB型肝炎ワクチンに関して。4月1日生まれの子ども達は生後2カ月からは受けることが出来ず、10月まで待つとかなりタイトな接種スケジュールになります。現在厚労省がパブリックコメントを募集中です。4月1日生まれの子ども達も、6月1日から定期予防接種として接種出来るよう要望書を提出すると共に、奮ってパブリックコメントに意見を書き込むことを確認しました。また、日本脳炎の予防接種は標準的接種年齢が3歳となっていますが、これに関しては以前にもブログに書きましたが、医学的根拠はないようです。実際残念なことに生後11ヶ月で日本脳炎にかかってしまった乳児がいます。リスクの高いところでは生後6か月以上から接種を推奨しようという要望書も厚労省に提出することも確認されました。その他、『ビジュアル予防接種マニュアル改訂第3版』を今年出版することや、今年度の研修会等の日程、プログラム等の確認をして、今年度第1回の委員会を終えました。

緊急地震速報

 昨日の地震はひどかったですね。犠牲になられたり、被災された方にはこころよりお見舞い申し上げます。
我が家では、私は入浴中、家内は揚げ物をしている最中に「地震です。地震です。」と大きい音で警報が。警報は聞こえるけど揺れてないなと思った直後、ひどい揺れに。あわてて、風呂場のドアを開けました。家内は警報が聞こえた時点で火を止めて、揺れたときには問題なかったようです。緊急地震速報、ちょっと早いだけでも大変役立つことが分かりました。前もって備えることは大事ですね。
 そう言えば、昨日の午後は高鍋の1歳半健診だったのですが、MRワクチンを含め、予防接種が終わってないこどもが少なくなかったのに驚きました。予防接種も病気にかからないようにする大切な備えです。今一度母子手帳を確認して、季節のいい今の時期に受けておいて下さいね。

日本脳炎ワクチンの特例の追加措置

 今日のお昼休みに「日本脳炎ワクチンの実施規則の一部改正」に関して川南の予防接種担当の方が再度契約に来られました。日本脳炎ワクチンは2005年5月から2009年6月まで、接種勧奨が控えられていたことがあり、「平成7年4月2日から19年4月1日生まれの方は、不足接種分を定期接種として、20歳未満まで接種できる」という、追加措置が行われました。今回、更なる追加措置がとられることになりました。
1)平成19年4月2日から平成21年10月1日生まれの方が対象で、平成22年3月31日までに日本脳炎の第1期の予防接種を終えていない方。
2)9歳以上13歳未満で、日本脳炎第1期の接種を受け終え、次に第2期の接種を受ける場合の接種間隔を6日以上とすること。となっています。この特例接種は「9歳を過ぎた方」が、接種の対象です。接種間隔に関しては、いろんなバリエーションがありますので、該当すると思われる方は、医療機関に御相談下さい。

宮崎県小児科医会総会・春期学術講演会

 10日(日)は、午後から宮崎市で上記学会が開催されました。最初の会員発表の部では宮崎大学医学部の近藤恭平先生が『こどもの重症感染症とバイタルサイン』と題して発表。検査に頼らない最初のバイタルサインで治療介入の時期を遅らせないということを自分の経験したケースをまじえながら、重症感染症の子どもの心拍数と呼吸数との相関について私案を紹介されました。次いで、県立宮崎病院小児科の石井茂樹先生が『当院における誤飲・誤嚥症例について』発表。誤嚥で一番多いのはタバコですが、それを除くと咽頭異物で多いのは魚の骨、気道異物で多いのはピーナツ、クルミ、枝豆など、食道異物で多いのはコイン、ボタン電池で幼児に多く、家庭内での予防が一番と強調されました。続く総会では、三宅先生の後任として、不肖私が県小児科医会会長として選出されました。会長の器でないことは重々承知ですが、これも何かの縁、優秀な幹事や会員の先生方の協力を賜りながら、宮崎の子どもたちのため微力を尽くせたらと思っています。後半では特別講演2題。最初は三宅和昭先生が『宮崎県の麻疹・風疹〜これまで・そして、これから』と題して講演。風疹の大流行があったのは記憶に新しいですが、MRワクチンの接種率が低く、近い将来麻疹の流行が危惧されることから、母子手帳を確認しながら耳にたこができるくらい予防接種の重要性を訴え続けることを強調されていました。最後は、『子どもの貧困の支援現場から』と題して「だれも知らない 宮崎子どもの貧困」取材班のデスクを務められた、宮崎日日新聞文化部長高見公子氏が講演。子どもの代弁者たらんと取材をすすめたこと、短期の支援に終わらないためにと2例のケースを紹介しながら、予防的視点でトータルに育ちを支援すること、行政の施策のあり方に注意を払うよう訴えられました。一般の多くの方々にも聞いてほしいと思えるためになる講演でした。

感染症動向

 7日は夕方児湯医師会の理事会に出席したあと、宮崎市夜間急病センターの当直に行ってきました。準夜帯も途切れる事なく来院があったようですが、私が到着したとき救急隊から患者受け入れ要請の電話があり、けいれんのこどもの救急搬送で深夜帯がスタートしました。まだ宮崎市ではインフルエンザが出ているようで、県衛生研感染症週報でも発生数は先週の88%と減少してはいるものの、例年同時期の1.1倍とまだ油断できない状況です。深夜帯でもインフルエンザを心配しての来院がありました。午前3時半の腹痛、嘔吐のこどもはお腹を触ってびっくり。硬いソーセージ大の塊が数個触知され浣腸で硬便が10個くらい出ていました。その後でも1個まだ触知される状態。急な腹痛の原因で便秘はままありますが、これほど硬いのを触れたのは久し振りで、後学のため看護師さんにも触ってもらったらびっくりしていました。昨日は入学式のあったところが多かったようですが、生活リズムを整えていいスタートを切って下さいね。

料金改定

 4月からいろんな方面で料金改定が行われています。医療機関でも診療報酬改定というものがありました。その中で大きく変わるのは、特定機能病院における紹介状なし患者の定額負担額です。たとえば、紹介なしで宮崎大学付属病院を受診すると初診の場合5,400円、再診で2,700円の自己負担が生じます。これは、軽症患者の大病院受診を抑制し、特定機能病院としてより高度な医療を提供するために病診連携を図る目的です。また、かかりつけ小児科医制度も発足し、巷では小児科医を優遇する制度のように報道されていますが、いろいろ条件がつけられており当院では該当しません。
 *今日は朝から雨で天気がすぐれず、温度、湿度とも高くなっています。体調管理に気をつけてくださいね。

水痘ワクチンの2回接種。

 水痘ワクチンが定期接種化されて、以下のグラフのように水痘に罹患する(かかる)人が確実に減ってきています。ただ、注意すべきは、2回接種することが重要だということです。水痘ワクチン1回接種と2回接種の差に関しては論文や学会でも報告されています。それらによりますと、1回接種の有効性は約6割、2回接種だと9割以上とのこと。水痘ワクチンは他の生ワクチンと違い2回目は1回目から3ヶ月以上開ければ接種可能です。2回目をお忘れなく! MRワクチン同様、水痘やおたふくかぜワクチンなどの生ワクチンも2回きちんと接種することが大切ということですね。☆水痘ワクチンは、この度、50歳以上の帯状疱疹予防にも使えるようになりました。
水痘罹患率2016_convert_20160403094357

子どもの誤飲

 先日2014年度の子どもの誤飲事故が厚労省から発表され、たばこが最多でした。2番目は医薬品・医薬部外品で13年度と順位を入れ替えました。ただ、グラフで見るようにタバコと医薬品・医薬部外品で約35%を占めているのはほぼ一緒です。たばこを家庭に持ち込まないことが一番ですが、万が一タバコを誤飲したときは、ニコチンの吸収を抑えるために、出来るだけ吐かせ、水や牛乳など飲ませず、絶飲、絶食で医療機関を受診して下さいね。医薬品の誤飲は1〜2歳の幼児で多く発生しているので、小児の目に付くところや手の届く範囲には、小児の口に入る大きさの物は置かないように注意してください。
2014子ども誤飲_convert_20160403092334
2013年度子ども誤飲_convert_20160403092406

4木会

 早いものでもう4月、新年度のスタートですね。昨日、3月最後の木曜日夜4木会(第4木曜日に行われる宮崎市郡医師会の勉強会;昨日はたまたま第5木曜日でしたが)に当院の看護師3名と参加してきました。宮崎のわかば小児歯科の旭爪伸二医師が『エジンバラ産後うつ病質問票』を中心に講演されました。小児歯科ということもあって、主に2歳くらいの子どもを連れてきたお母さん方にこの質問票と『育児支援チェックリスト』『赤ちゃんへの気持ち質問票』を併用して、気になるお母さんと面談した4年間の経験を話されました。女性は短い間に結婚、妊娠、出産、育児という大変さがあることを再認識。「完璧な赤ちゃんを産むことが妊娠の目的ではなく、産まれた子どもを大切に育てる事が大事」「一人の赤ちゃんというものはいない、赤ちゃんはいつもお母さんの一部」という言葉を紹介されたのが印象に残りました。最後はあなたもゲートキーパーになりませんかという言葉で締めくくられましたが、とてもいい話を聞けました。我々小児科医もまだまだ頑張らねばと決意を新たにした次第です。☆ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る人のこと。