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研修会と地方会

 土曜の午後はご迷惑をおかけしました。おかげで、日南・串間小児科医会研修会に間に合いました。日南病院小児科の黒木純、日高倫子Drがシトステロール血症の症例発表、私が地域総合小児医療認定医と新しく始まる小児科専門医制度について話してきました。少人数ではありますが、とても雰囲気のいい会で、日南・串間の小児医療をよくしていこうという雰囲気が伝わった会でした。翌日日曜は宮崎市で日本小児科学会地方会が開催され参加してきました。今後の診療に役立つ多くの症例発表がありました。なかでも、印象に残った演題が二つ。一つは県立宮崎病院の唐澤直希先生らの『宮崎市郡におけるロタウイルス腸炎入院患者323例の検討』で、ロタウイルスワクチン前後の検討結果の報告でした。宮崎市郡の助成が始まってから入院が84.1%に減少したとのこと。2歳未満での入院が減ったとのことで、助成によるロタウイルスワクチン接種の効果が示唆されています。児湯郡やその他助成が行われている地域の結果も期待したいところです。もう一つは県立日南病院からの報告です。1ヶ月健診を産婦人科ではなく、小児科医が長いこと行ってきている県立日南病院の報告は、今後の1ヶ月健診のあり方を考える上で特に参考になりました。最後に宮崎大学医学部医学科社会医学講座 生命・医療倫理学分野の板井 孝壱郎教授の『「臨床倫理」「研究倫理」の考え方』と題した特別講演が行われました。内容の深い話でしたが、巧みな話術で時のたつのも忘れ、もう少し聴きたかったと思えた程のとても有意義な講演でした。

ジカ熱の国内発生。

 ブラジル帰りの高校生がジカ熱にかかったという報道がありました。今や病気も世界規模で考えないといけない時期になってきてるようですね。もう一つはジカ熱に関する良い方の情報です。
 国立感染症研究所(東京)の田島茂(たじま・しげる)主任研究官らのチームが「ジカ熱」の原因となるジカウイルスの作製に成功した(世界初)というものです。ワクチン開発や流行拡大の原因を探ることも可能になる快挙です。
 ※ジカ熱に関して厚労省がQ&Aをホームページで公開しました。以下はNIKKEI MEDICAL 2016.02月号に表としてまとめてあったものです。国内ではまだ問題になりませんが、今夏のブラジルでのオリンピック観戦に出かけられる方は、蚊に対する対策が必要のようです。
ジカ熱_convert_20160218094257
☆2月27日(土)の午後は、日南で講演をするため午後の予防接種の時間が終了したら出かける予定です(午後の一般診療は休診となります)。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


なにか変!?

 インフルエンザが流行してくると高熱が出たら迅速検査の希望が増えてくるのは心情的に理解できます(検査するかどうかは診察の結果等総合的にみて判断しますし、検査が万能でもありません)。ところが、最近は37度ちょっとの熱、あるいは熱がないのに検査を希望される方が出てきました。その理由は、微熱でも迅速検査で陽性になった人がいるということで、保育園側から検査をするように言われたからだそうです。検査をしないと受け入れないという保育園もある!?園で流行しているからと微熱や熱がない子にインフルエンザの検査を強要するのは行き過ぎだと思います。園の先生自身やお母さん方が『熱はないけど今この地域でインフルエンザが流行中なので、もしかしたら感染してるかも知れません。検査しましょう』と医師から言われたらどうでしょう?そんな医師を信用できますか?これではきりがありませんよね。何でもかんでも検査検査では医療費も莫大になり保険制度も破綻してしまうでしょう。*ちなみにインフルエンザの検査代金は1回6千円弱です。保険がきいて検査費用だけで2千円弱かかります。☆症状もなく医師が必要と認めない検査を受診者側が希望して行う場合は、健康診断と同様保険は使えません。全額自費になります。

中3全員にピロリ菌検査

 ピロリ菌は胃がんだけではなく他の病気にも関わっている可能性があることを以前書きましたが、この度佐賀県が来年度県内の中学校3年生全員を対象にピロリ菌の検査を任意で実施する方針を固めたというニュースが入ってきました。健康診断時に採取した尿で検査をするようです。これだと血液検査等に比べると負担なくできますね。感染が確認されれば除菌のための治療費も助成するとか。費用対効果があると見込んだのでしょうね。予防できる病気は出来るだけ予防するという時代の流れかな。任意の予防接種の助成もなされていたらいうことなし!?
 *1月のブログでも紹介しましたが、今日の宮日にもMRワクチンⅠ期接種率『本県期接種率93.0%最下位』と大きく取り上げられました。まだ接種していない方は急いで下さいね。

なぜ、どうして?

 なぜ、どうしてとしつこく子どもに尋ねられて困ったお父さんやお母さんは多いのでは? 科学的なことはそれなりに答えることが出来るかも知れませんが、こころが絡んでくるとそうはいかないかも。そんな時お薦めの本があります。『こころのふしぎ なぜ?どうして?』(高橋書店)本の帯に、身近な心の問いに答えるとあります。心のふしぎ、いのちのふしぎ、かぞく・友だちのふしぎ、ルールのふしぎ、やさしさのふしぎの5章からなっています。もう一冊がその続編『続・こころのふしぎなぜ?どうして?』こちらには本質的な心の問いに答えると帯に書いてあります。こちらは、しあわせのふしぎ、自分のふしぎ、人間のふしぎ、いのちのふしぎ、おとなのふしぎの5章からなっています。いずれも漢字にはふりがながふってあり、ひらがなが読める子どもは一人でも読めるようになっています。でも、大人も一緒になって読む価値がありますよ。生き抜く力を一緒に育んでいけます。

平成27年度健康宮崎行動計画21推進研修会

 2月18日午後、高鍋保健所で上記研修会が開催されました。木曜午後の開催ということで、当院からも私と看護職全員が参加しました。最初に高鍋保健所の本部明子氏が高鍋保健所管内の幼児・学童の「やせ及び肥満」の状況について説明されました。宮崎県の肥満傾向児の出現率は、10,12,13,14,15歳で九州ワースト1位、16歳に至っては全国ワースト1位。肥満児が10%以上を占める学年のある学校が平成27年度で小学校95.8%、中学校93.3%という高率でした。成人でも男性は全国ワースト2位(3人に1人は肥満)ということでした。次に宮崎大学小児科の澤田浩武講師が『小児の肥満〜宮崎県の現状と対策〜』と題して講演されました。幼児期肥満の25%、学童前期肥満の40%、思春期肥満では70〜80%が成人肥満に移行するということで、小学校低学年の成長期前の気づき(この段階での介入)が効果的とのこと。子どもの頃から動脈硬化も始まっているというエコー所見も紹介されました。病気と一緒で、肥満も子どもの頃からの予防に限るというのが結論といってもいいでしょうか。現在起床時と朝、夕、寝る前の1日4回の体重を測定し子ども達に記録してもらっている(グラフ化体重日記)そうで、それによると週末の食事(間食や飲料も含む)が問題のようです。また、女性のやせすぎも問題で、低出生体重児も将来の生活習慣病のリスクになるとのことで注意が必要です。非常に分かりやすい講演でした。高鍋保健所管内の小児期の健康管理に関わる多職種の方が参加し盛会でした。

インフルエンザ警報

インフルエンザが今期初めて大流行を示す「警報レベル」を越えたと報じられました。1医療機関当たりのインフルエンザの1週間の患者数が30を越えると警報レベルということですが、当院では先々週に警報レベルを突破、先週はその倍と増加しています。児湯地域でも学級閉鎖や学年閉鎖も出てきているようです。先日の休日在宅医や先週の夜間急病センター受診者数も増加傾向です。このように流行しているという報道があると、微熱でも検査希望で受診される方が増えてきます。こんな時こそ慌てずに、熱以外の症状に注意し様子をみて、高熱が半日続くようなら受診してくださいね。*4年半ぶりに全国的におたふくかぜが流行のきざしという報道もありましたが、児湯地域でもおたふくかぜが増えてきています。予防接種で防げる病気で、補助も出ています。早めに受けて備えておきましょう。

百日咳の発生

先日まさに『後医は名医』という医師の間では知られた言葉{患者さんを最初に診た医師(前医)よりも、後から診た医師(後医)の方がより正確な診断・治療ができるため名医に見えてしまう:患者さんを最初に診る医師(前医)はその患者さんの情報が何もない中で、情報を聞き出し、必要と思われる検査を選び、診断・治療を考えていかなければいけません。しかし後から診た医師(後医)は、前医が聴取した情報や検査結果・治療結果などを参考にしながら、診断・治療を考えることができるということです}を思い出すエピソードがありました。以下のそのケースを紹介します。「年明けから咳が続いて複数の小児科を受診し、胸の音はきれいといわれて治療を受けるも、だんだん咳がひどくなって夜間は呼吸がしづらい。その間熱はでていない」と4歳と6歳の姉妹が当院を受診しました。驚いたことに一人は全く予防接種がなされておらず、もう一人はBCGのみ。経過から百日咳を疑って血液検査をしたところ、なんと白血球数が3万を越えていました(一般的には熱もなく白血球数が1万5千を超えてリンパ球優位なら百日咳を疑えといわれています)。詳しい検査を提出しましたが、経過や咳の性状、この白血球数から間違いないと思われます。三種混合(四種混合ワクチン)接種で、典型的な検査所見を呈する百日咳の子どもを診ることが少なくなっていたと思っていましたが、油断大敵。当院に来るまでに他の予防接種をしていない乳児に感染をひろげていないかが気になるところです。こういうこともありますので、受けるべき予防接種は出来るだけ早く受けてほしいということを強調したいと思います。

宮崎県発達障害治療研究会

 12日(金)診療終了後、宮崎市で行われた第7回宮崎県発達障害治療研究会に参加してきました。休み明けで外来が終わるのが遅かったのと事故による渋滞が重なり会場到着が遅れ一般演題は聴くことが出来ませんでした。幸い『子ども臨床と発達の視点』と題して三重県特別顧問(子ども・家庭局)の清水將之先生が講演された特別講演には間に合いました。先生の豊富な経験をベースに具体的なケースを通して発達につまづいた子どもへの対処の仕方を学ぶことが出来ました。落ち着きがない、衝動的な子どもにはADHDではとレッテルを貼りがちですが、子どもの日常や、それまでの育ちを丁寧に追うことで薬に頼る事なく解決出来るケースがあることを教えていただきました。

5年一昔

 先日、運転免許の更新に行ってきました。いつも駐車場がすぐ一杯になるので8時の受け付け開始に間に合うように7時に家を出て、今まで止めていた駐車場に車を止め、免許センターに向かうべく右に曲がるとと見慣れた年季の入った建物はなく、前方に近代的なおしゃれなデザインの建物が。しかもその前にも駐車場。以前は私が止めた駐車場しかなかったのに、そこには第一駐車場の看板。ということは、私はわざわざ早く行って遠い方の第二に駐車したことに。中に入ってもびっくり。受付は機械に更新する免許証を入れ暗証番号を設定すると用紙が出てきて、それを持って建物を進んでいくと検査や写真、講習が受けることが出来るようになっています。以前のように2階に上がったりする必要もありません。講習が終わって出ると建物内をぐるりと一周したことに。10年一昔といいますが、私にとっては5年一昔でした。*交通事故による死亡は多いときの1/3に減っているようですが、統計上は県民の100人に1人が交通事故にあっているとのこと。衝突安全性を謳った車は増えてきていますが、最後は人。お互い気をつけましょうね。

リチウム電池の誤飲

 昨日は今年2回目の救急電話相談当番だったのですが、なんと準夜帯(午後11時まで)だけで28件という多くの相談がありました。#8000、お母さん方に認知されてきたようです。さて、以前も誤飲の話をしましたが、今回はリチウム電池の誤飲がありました。リチウム電池の誤飲はとても危険です。以下に小児外科学会の警告を引用します。『最近多用されているリチウム電池は放電能力が高く,電池の寿命がきれるまで一定の電圧を維持する特性があります.このため誤って飲み込んだ時は消化管の中で放電し,電気分解によりマイナス側にアルカリ性の液体を作ってしまいます.アルカリ電池のように金属被膜の腐食によって電池の内容が流出するのではなく,電池の外側にアルカリ性液が生成されるわけです.金属被膜の腐食には時間がかかりますが,放電によって危険な液体ができるため,リチウム電池では30分から1時間という非常に短時間でも消化管の壁に潰瘍を作ってしまうことが報告されています.また,金属被膜が腐食するには胃液が必要ですが,放電はどこでもおこります.つまり胃の中に限らず,食道でもアルカリによる消化管壁の損傷がおこることになります.リチウム電池は間違って飲むとアルカリ電池よりもさらに危険と言えます.
  ボタン型電池,特にリチウム電池は決してこどもの目に触れないように管理して下さい.電池の表面を加工していないボタン型電池を万一飲み込んだ時には,急いで取り出す必要がありますので,できるだけ早く小児外科のある施設に行って下さい.リチウム電池は一般に直径の大きいものが多く,食道に引っ掛かることが多いのですが,胃の中に落ちていることもあります.これらの電池を取り出すには内視鏡を使う必要があります.小児外科施設には通常このような事態に対応できる器械,施設が備わっています.早ければ早い程いいので,直接小児外科施設に連絡されることをお勧めします.なかなか誤飲事故が減りません。』

厳しい小児医療

 川南の国立病院機構宮崎病院小児科の診療体制が縮小するという情報が入りました。以前は大分大学医学部から3人の小児科医が派遣されていましたが、昨年から大分大学から2名、宮崎大学から1名という構成に。そして、来年度(4月)からは大分大学からの派遣がなくなるとのこと。宮大からの小児科医一人体制になる危機的状況ということでしたが、つい先日の児湯医師会理事会で、宮大からの派遣が2名になったとの報告がありました。それでも、1名減。今まで川南町の健診や地域の子どもたちの発達相談等も担っていただいていただけに、その影響が最小限に留まるよう期待しています。我々現役小児科医も地元に残ってくれる小児科研修医が増えるよう、ここ宮崎で小児医療を展開する魅力を伝えていく責務があると痛感しております。

ポリオワクチンのⅡ期

 今日来院した子どもの中に、昨日豆まきしたという子どもがいました。昨日は節分だったのですね。小さい子どもがいないと豆まきも随分していないです。今日は早くも立春です。宮崎は球春!?
 さて、ポリオワクチンが生ワクチンから不活化ワクチンに切り替えられ、標準的な接種スケジュールとして生後3カ月から12カ月に3回,初回接種終了後12カ月から18カ月に1回の計4回の接種が勧奨されています。ただ不活化ワクチンを早くから導入していた欧米では、4~14歳ごろまでにさらに1回の追加接種を含む計5回の定期接種プログラムを導入している国が多いようです。ということで、日本でも同様の臨床第Ⅳ相試験が行われ、追加接種の抗体価上昇が認められ添付文書に今回の成績が追加されました。日本でもこのポリオの追加接種が日本脳炎のⅡ期のように定期接種で認められるといいのですが、当面は任意接種として希望者のみの接種になりそうです。

ロタウイルス感染症の流行

 嘔吐や下痢での来院が続いていましたが、ここにきてロタウイルスによる嘔吐下痢症が増えています。嘔吐下痢の症状がひどく、点滴を要する子どもにロタウイルス迅速検査を行ったところ軒並み陽性。今日点滴加療した子ども達はもう検査はしていません。当院ではインフルエンザより嘔吐下痢が目立つくらいです。連日点滴する子どもも出てきています。ロタウイルスの威力恐るべし。現在児湯地域等で助成が行われているロタウイルスワクチンを服用している子ども達が増えてくれば、外来の点滴やベッド調整で悩むことも少なくなるかなと期待しています。
 *先日の休日在宅医(小児科)の先生の報告によると受診された1/4強でインフルエンザ陽性だったとのこと。インフルエンザも今後増えてきそうです。