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小児科医会秋期学術講演会(その一)

 9月27日(日)午後から宮崎市で上記講演会が開催されました。会員の部の発表が2題。県立宮崎病院の三原由佳先生が「乳児下気道炎における百日咳の合併について」と題して講演。2000年頃から成人の百日咳が増えていますが、乳児も家族を含めた大人からの感染で入院するケースが増えていること(家族内感染が75%)。RS感染との合併も結構あること等を報告。海外では10代に成人用百日咳ワクチンを接種するようになって減少傾向にあり、また、妊婦さんへの百日咳ワクチン接種もそれなりの効果をあげているようで、日本でも10代の追加接種が必要な時期に来ているようです。2題目は宮崎大学医学部の上村幸代先生が「ハイリスク児に対するRSウイルス感染症重症化の予防」と題して、RSウイルスに対する抗体(モノクローナル抗体)製剤(パリビズマブ;シナジス)の適応が早産児以外にダウン症や免疫不全症の子どもに拡大したこと、その効果等を報告されました。

おたふくかぜワクチン不足

 おたふくかぜやB型肝炎、ロタウイルスなど任意予防接種の助成が始まり、順調におたふかぜの予防接種を受ける方も増えてきた矢先に、おたふくかぜワクチン不足という情報が入りました。ワクチンの卸に確認したところ、全国的におたふくかぜワクチンを受ける方が増え、一時的な品不足を招いたとのことです。10月中旬の国家検定が通るまで、供給できないようで、当院では現在予約されている方の分がやっと確保できている状況で、おたふくかぜワクチンの予約は供給が再開される10月中旬まで予約を受けることができません。大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、接種予定の方はもうしばらくお待ち下さい。当院で予約再開できる見通しができ次第、ブログでお知らせしたいと思います。

傷害速報No56

 今月号の小児科学会誌に「ミニカップゼリーのプラスチック容器の誤嚥による窒息疑い」Injury Alert No.56が掲載されました。ゼリーの誤嚥事故はよく見聞きしますが、ミニカップゼリーのプラスチック容器そのものの誤嚥とはびっくりですね。容器の大きさは高さが25mm,最大口経48mmで掲載された写真からも結構大きい感じを受けますが、1歳4ヶ月の乳児でもこのサイズが口の中に入ることに注意が必要です。3歳児の口腔容積を計測して作られた誤飲チェッカー(当院待合に実物あり)では39mmx51mmのサイズは誤飲しうるとされています。EUでは、一口サイズで口の中に押し込むタイプのゼリー製品はすべて誤嚥のリスクがあるため、全面的に流通しないよう法的規制がなされているとのことです。乳幼児には少なくも買い与えない方が無難なようです。

シルバーウイーク終了

 一昨日はお世話になっている東京の三宅先生のお子さん2人とお孫さん2人を加えた総勢子ども4人、大人5人で久し振りに蚊口の浜へ。子どもたちのパワーに圧倒されました。凄くいい天気で、海の水もまだ泳げそうな温度。水浸しで波と戯れたり、貝殻さがしに興じたり、夜は私達にとっては今年初の花火も楽しみました。父母にとっても久し振りに賑やかな夕食で、その賑やかさが私達の父母への敬老のお祝いかな。作日はルピナスパークに行きました。多くの家族連れで賑わっていました。家族対抗の野球の試合(孫の逆転サヨナラ勝ち)をしたり、遊具で遊んだり。子どものパワフルな動きについて行くのがやっとでした。幸い?雨が降ってきてやっと帰ることを納得してくれました。そして作夜は、高鍋東小・中学校の還暦の同窓会。みんなの変わりように驚き半分でしたが、楽しい再会でした。今日は孫たちも福岡へ。長いようで短かったシルバーウイークも今日でおしまい。明日からまた仕事に全力投球。

シルバーウイーク

シルバーウイーク皆様はどのようにお過ごしでしょうか?私は家内を福岡に送っていった〔同窓会〕その足で、佐賀大学医学部臨床講堂で行われた「新たな専門医の仕組みに関する地域説明会」に参加してきました。2020年から専門医の仕組みが大幅に変更予定です。この仕組み改正が国民「患者にとっても医師にとっても」に利する改正になってほしいものです。我が家は昨日から孫達が帰省していますが、今回は帰省しない予定と聞いていたので完全な行き違い。孫達が帰って来た時に二人ともいないのは初めて。明日は早朝から孫と野球の約束、そして東京からも嬉しい来客があります。孫達と同年齢に近い子供達も一緒なので大喜びすることでしょう。

0歳児の日本脳炎発生

 昨日小児科のメーリングリストを通じて、千葉県の0歳男児が日本脳炎を発症していたことを知りました。熊本でも数年前に3歳男児が罹患しましたが、沖縄でも2年前に1歳男児が発症しているそうです。日本脳炎は標準的接種年齢が3歳からとなっていることから3歳過ぎで受ける方が多い印象ですが、生後6ヶ月から受けることができます。当院では出来るだけ早い接種を勧めていますが、南九州はリスクの高い地域だということと、3歳未満の予防接種未接種者からの日本脳炎発症が今回も含めて続いているからです。せっかく防げるワクチンがあるのに、接種が遅れたためにかかってしまうのは残念きわまりないです。Hib、肺炎球菌、ロタウイルスやB型肝炎ワクチンも生後2ヶ月過ぎたら、出来るだけ早く接種を開始して防御抗体を早く作ってあげたいものです。

腸管出血性大腸菌の集団発生

 昨日の看護学校講義が細菌性食中毒のところで、ちょうど腸管出血性大腸菌の話をしたところだったのですが、市内の園で腸管出血性大腸菌O-103の集団発生というメールが入りました。現在の所重症児はいないとのことで、ほっとしております。当院でもO-1,O-6、O-8、O-25、O-114、O-125等が検出されていますが、幸い集団発生はありません。つい最近、鳥刺しを食べたあと、サルモネラ腸炎になった子どもが2例ありました。子どもはもちろん、大人も含めてしっかり火を通していない肉は細菌性腸炎のリスクが高いことを認識して下さいね。

睡眠不足

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが「睡眠不足の人は風邪や感染症にかかるリスクが著しく高い。」という研究成果を発表したとの情報が入りました。 具体的には「一晩の睡眠時間が6時間未満であった人は、最低7時間の睡眠を取った人と比べて風邪をひく可能性が4.2倍高かった。睡眠時間が5時間未満の場合は、感染リスクが4.5倍になる可能性があることが分かった。」ということで、年齢やストレスの度合い、人種等には関係ないとのこと[MSD(株)smartmedメールより]。ちょっと気になったのは、睡眠の質は関係ないのだろうかということでした。そう言えば昨日は高鍋でも運動会があったようで、あさ6時に(運動会が予定通り行われると言うことを知らせる)恒例の花火が打ち上げられました。私が子どもの頃から延々と続くこの慣習。夜勤の方など「せっかく休日ゆっくり寝たいと思っているのに・・・。なんで今の時代に朝6時に花火を打ち上げないといけないの?」なんて思っておられる方もいらっしゃるかも。見直す時期かもしれませんね。

秋の花粉

 関東や東北で大雨による甚大な被害が報告され心痛める映像が流れていますが、こちらはまさに秋を思わせる天候が続いています。運動会や遠足等で外に出る機会も多くなりますね。
 先日、安達耳鼻咽喉科医院の安達 裕一郎先生から、例年よりやや早めに秋の花粉症患者さんの受診増加というメールが届きました。昨日は、イネ科花粉 8個、キク科花粉 2個が観察されたようです。当院でもくしゃみ、鼻水、目のかゆみを訴えて来院する子どもが増えてきた印象です。早めの受診で不快な症状を早く抑え生活の質を上げましょう。
 *宮崎市で多くなっていたRSがこちらでもみられるようになりました。ゼロゼロした乳児の咳には注意して下さい。

医者の不養生

1ヶ月近く膝の痛みがありましたが、運動が出来ないほどでもなくもう良くなるだろうと楽観視していたら、イスから立ち上がったり、階段を上るだけで痛みがはしるようになり、さすがに午後の休診を利用して受診しました。医者の不養生とはよくいったもので、軟骨を痛め既に水が溜まっていて、10mlほど抜いてヒアルロン酸の注射をされました。関節内に注射なんて考えただけでも嫌だと思っていたのですが、「注射なんて嫌だと思うでしょうが、今しときましょう」とのDrの言葉のあとには、ベッドに横になり処置されていました。まさにまな板の上の鯉状態。走ったり、テニスをしたりと結構鍛えているつもりでしたが、大腿の筋肉をもっと強化するよう言われました(同世代の人に比べると筋肉がついてるという言葉が慰めになりましたが)。今日から1週間運動禁止。毎日最低両足50回の筋トレが課題です。悲しいけれど、寄る年波には勝てぬと言ったところかな?  *皆様もとことん悪くなるまで待たずに、早めの受診を心掛けて下さいね。

夜間のインフルエンザ日程

 准看護学校の講義に出かける際に、母校東小学校と高鍋高校にはさまれた道を通るのですが、小学校にグランドにはテントと運動会の入場門が出来上がっていました。高鍋高校の体育館にはたくさんの車が。鳴海が丘祭が行われているようです。最近は保護者の参加も多くなっているのですね。今週は天候にも恵まれ、運動会、文化祭といい季節になりました。
 さて、インフルエンザの予防接種予約が始まったばかりですが、今期の夜間インフルエンザ予防接種の日程が決定しました。昨年同様、11月6日スタートで、原則水曜と金曜日です。11月は6(金)、11(水)、13(金)、18(水)、20(金)、25(水)、27(金)の7回。12月は、2(水)、4(金)、9(水)、11(金)の4回で合計11回です。例年夜間は早く予約枠が一杯になる傾向があります。携帯、あるいはパソコンからだと1ヶ月前から24時間予約可能です。夜間を希望される方は出来るだけネットからの予約をお願い致します。

平成26年度MRワクチン接種率

 平成26年度のMRワクチン接種率が感染研のHPに発表されたと、三宅会長からメールが入りました。残念なことにMRⅠ期の接種率は宮崎は全国最下位でした。集団感染予防の目安、接種率95%以上を達成しているのは47都道府県中36でした。全国トップの島根県の接種率は、99.8%、最下位の宮崎が93.0%。全国平均は、96.4%でした。宮崎県内でみてみると、95%以上を達成しているのは26市町村中半分の13市町村でした。児湯郡内では、上から順に5番目に高鍋(97.2)、10番目に都農(96.2)、11番目に新富(95.7)で、木城町は14番目(91.4)、川南に至っては23番目の82.9%でした。この分だと近い将来麻しんが流行した時大変危惧される状況です。今は予防接種を受けるのにいい時期です。まだ、済んでない予防接種のある方は、是非早めに済ませて、これからの季節を迎えましょう!!

9月の当直

 8月31日の午後、久し振りの魔女の一撃(ギックリ腰)をくらってしまい、9月1日の看護学校の講義は出来るかちょっと心配でした。ゆっくりしか歩けないので、家を早く出たら学生は掃除前の休憩中でした。思いの外早い登場に皆がびっくり。こちらは、行く日を間違ったかなと一瞬思ってしまいました。9月2日(水)は、宮崎市夜間急病センターの当直でした。腰の回復が間に合うか心配しましたが、なんとか当直勤務はこなせました。宮崎市ではRSウイルス感染症が多いようです。最近、病気の季節性がなくなってきているようです。迅速診断検査キットの進歩で、以前なら診断つけられないものが診断されるようになったことも関係してるかな。不安定な天気のせいか、深夜帯は喘息発作での来院がいつもに比し多い印象でした。無事勤務を終え、帰路いつものように高速道路(東九州道)を経由して帰ってきたのですが、途中前が見えづらいくらいの豪雨。道路に水の溜まっているところもあり、スリップしそうになりひやっとしました。路面が今ひとつなので、雨の日は特に皆様も気をつけて下さいね。

バロメーター

 ○○○のバロメーター。○○○の中にはいろんな言葉が入ると思いますが、この度我が子への愛のバロメーター・○○○、家族への愛のバロメーター・○○○という啓発ポスターが届きました。皆様なら○○○の中に何という言葉が思い浮かぶでしょうか? 宮崎県交通安全対策推進本部から来たポスターと聞けば浮かぶ言葉がありますか。答えは前者がチャイルドシート、後者がシートベルトです。宮崎県のチャイルドシート使用率は47.0%(全国平均61.9%)で全国ワースト3位。一般道での後部座席シートベルト着用率も23.9%(全国平均35.1%)でこちらも全国ワースト3位ということで、ポスターが作られたようです。チャイルドシートを使用しない場合の死亡重傷率は使用時の3倍、シートベルトを着用しない場合の致死率は着用時の15倍にもなるとか。予防接種と一緒で、重症化を防げるとわかっていることは実行して子どもや家族を守りましょうね。