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第217回宮崎市郡小児科医会学術講演会

 26日夜宮崎市で開催されました。横浜南共済病院小児科の成相昭吉部長が『2ヶ月齢から接種を始める4つのワクチン〜より良い効果を得るために認識しておきたいこと〜』と題して講演されました。会場は補助イスを出すほどの盛況で、当院のスタッフも参加しました。先生は年間1,000例の分娩がある病院で、月5,6回の当直もこなしながら、講演活動や論文発表など精力的にこなされている先生です。自院でのアンケートの結果、母子手帳に記載されている予防接種の説明書はほとんどのお母さんが読んでないとのこと。出生直後は授乳に関する悩みが多いようで、小児科が担当する1ヶ月健診で予防接種について話されているとか。宮崎でも小児科で1ヶ月健診が出来るようにとの要望を出していますが、まだ実現していないのが残念です。以下私なりにまとめた先生の講演要旨です。「Hibや肺炎球菌による髄膜炎が激減しているけど、生後2ヶ月の早めから接種を開始し、追加接種を忘れずに受けることが大切なこと。ロタウイルス感染症は、死亡例も含め重篤な合併症があることは知られていますが、我が国の小児の脳炎の原因の第3位。ロタワクチンが普及している海外ではロタウイルス感染症が激減していること。定期接種化が望まれること等話され、最後にB型肝炎の話に。B型肝炎ワクチンは、肝炎だけでなく、肝ガンの予防にもつなかること、B型肝炎ワクチンは小さいうちに接種すれはするほど、効果が上がること。宮崎県は、B型肝炎ワクチンの助成が全国一多い市町村で行われているということを紹介。B型肝炎は母子感染予防だけでなく、水平感染予防を考える時期に来ている」
 *児湯地域もB型肝炎ワクチンの助成がある地域の一つです。おおいに利用して下さいね。
*3月1日(日)は休日在宅医です。診療時間は午前9時〜12時、午後2時〜5時で予約は出来ません。

スギ花粉の飛散

 2月21日スギ花粉が多く観測され、イネ科花粉もあわせて観測されています。飛散開始の時期は終わって連続的な飛散時期になってきているようです。また、火山灰や黄砂も加わってきています。目の症状を訴える方がいつもに比し多いように感じます。決して目をこすらないように注意して下さい。昨日から雨の宮崎ですが、雨があがって風が強くなると花粉も舞います。花粉を家の中に持ち込まない。外出時はマスクやメガネを忘れずに。いつもより花粉は少ない予想ですが、来院する方を見てるとそれほど症状は軽くないようです。

日本小児科学会宮崎地方会

 2月22日(日)午後は、第77回日本小児科学会宮崎地方会が市内で行われました。その中で気になった演題が2つあったのでそのエッセンスを紹介します。一つは、『ロタウイルス胃腸炎に胃穿孔を合併した乳児の1例』ロタウイルス感染症では腎炎や繰り返すけいれん、急性脳症など重篤な合併症(最悪亡くなることも)が知られていますが、今回は胃穿孔を来し緊急手術になった1歳女児のケースが紹介されていました。このケース以外にも上部消化管穿孔(十二指腸が多い)が報告されているとのこと。残念ながらこのケースはロタワクチンを飲んでいませんでした。せっかく一部補助がなされているので、ぜひ受けておいて欲しいものです。もう一つは、『当院NICUにおける神経管閉鎖障害11例の検討』神経管閉鎖障害は、先天性奇形でその発症には母体の葉酸欠乏の関与が知られています。欧米では妊娠可能年齢女性への葉酸摂取勧告、穀物加工食品への葉酸添加を義務化してから発生率が有意に減少しているようですが、日本では発生率の改善があまり見られていないようです。母子手帳に葉酸摂取に関することが記載されているようですが、妊娠前4週間〜妊娠12週までの時期に葉酸不足にならないようにすることが重要なようで、母子手帳を受け取る時期に知っても間に合わないようです。妊娠を考えている女性は積極的に葉酸摂取を心掛けるようにする必要があるようです。

医師不足

 今日早朝から6月に行われる学会の抄録原稿(過疎地域の小児医療に関する)を書いていると、「開業支援」のメールが届きました。それからの抜粋『医師不足に悩む日向市は新年度から、市内で新たに開業する小児科と産科の医療機関に最高で5千万円を助成する制度を始める。人口減少対策の目玉事業で、安心して子育てのできる環境を整えるのが狙い。同様の制度は、県内では延岡市が小児科の開業に1千万円を補助している。新規開業で看護師や事務職員を雇う場合も1人につき年20万円を1年限りで支給する。2012年の厚生労働省の調査によると、人口約6万3千人の日向市の小児科医は3人、産科医は4人。人口10万人あたりの医師数は県平均を大きく下回る。』抄録原稿を書くための資料を集めているなかで、日向だけでなく、延岡の小児科医の平均年齢も62.8歳で全国平均を13歳上回っていることが判明。急病センターや休日在宅医の負担が増しているようです。かく言う私も来年で60歳。小児医療の若い担い手が出てこないと、一次救急にも支障が出てきそうな宮崎の小児医療の現状が垣間見えますね。

予防接種リマインドサービス

 昨日、鹿児島市でもロタワクチンの一部助成を行うことを予算案に計上したというメールが届きました。これが全国的な流れになって定期接種化されるといいのですが。さて、予防接種が増え、スケジュール管理に苦労されているお母さん方も多いのではと思います。この度、忘れがちな1歳からの予防接種をメールとハガキでお知らせする無料のサービスが始まりました。昨今の個人情報漏洩を考え、子どもは本名ではなく、ニックネームでも登録できるようになっています(パンフは院内に置いています)。ただ、携帯やスマホのカレンダー機能を使っても同様のことは可能ですね。大事なことは他人任せにするより、自分なりに忘れないようにいろいろ工夫する過程があってもいいのかななんて思ってしまいます。
*登録用のバーコード
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妊婦のサイトメガロウイルス感染予防

 胎児が感染すると難聴や脳の障害などを引き起こす恐れのある「サイトメガロウイルス」についての予防法等をまとめたマニュアルを国が作成したと本日の日経新聞に報道されました。以下抜粋『ウイルスの抗体がない女性が妊娠中に感染すれば、胎児の約4割が感染し、このうち約2割は聴力や脳に障害が出る恐れ(赤ちゃんの約300人に1人に感染の恐れ)があり、妊婦は乳幼児の世話をしている際に感染するケースが目立つ・・・。ということで、妊婦が感染を防ぐ主なポイントとして次のようなことが推奨されています。1)おむつ交換や、子どもの鼻やよだれを拭く、子どものおもちゃを触った後には、こまめにせっけんと水で15〜20秒手を洗う。2)子どもと食べ物、飲み物、食器を共有しない。3)おしゃぶりを口にせず、歯ブラシを共有しない。4)子どもとキスをするときは、唾液の接触を避ける。』

孫と予防接種

 先週末は、孫達が最後の狂犬病ワクチンを受けに帰県しました。予防接種のために宮崎に行くと言われたいたのでしょう。6歳の孫は私の顔をみるなり、『今日するの?いつするの?』『今日はしないよ』というと『やったー!』と言って安心して遊び出しました。結局、自宅に帰る日曜日の朝接種したのですが、『一秒で、一秒で。泣いてもいい?』と言いお母さんから『泣いてもいいよ』と言われ、受ける前からおおいに泣いていましたが、無事終了。その後、蚊口の浜の公園を貸し切り状態で遊んだあと、帰っていきました。
 *インフルエンザも峠を越え、3月一杯で公費助成の期限が来る子ども達が予防接種を受けに来ることが多くなる時期です。予防接種に子どもを連れてくる際に、いかに上手に病院に連れて行くのか悩んでいいる保護者の方も多いでしょう。こんなとき、一番やってはいけないこととして指摘されているのが「嘘をつく」ということです。
当院でよくみられるのは、予防接種にいらしたのに、診察室で『今日は注射じゃないよ』と言うケース。子どもは敏感に察して泣きわめきます。このような嘘は、親や病院に対して不信感を抱いてしまうのでやめてくださいね。言葉がある程度理解できる年齢になったら、予防接種の必要性も含め、できるだけきちんと話しておくことが大切です。そして、「痛いよね」「嫌だよね」「ないてもいいからね」などと子どもの心に共感し、「それでも○○ちゃんは、頑張って受けるよね」などと激励も同時にして下さい。また、注射が終わった後にも「よく頑張ったね」と褒めてアフターフォローも忘れずに。

RS感染症の流行

 インフルエンザの流行が一段落したかと思っていたら、ここにきてRSウイルス感染症が増えてきています。RSウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染で、発症の中心は0歳児と1歳児です。6ヶ月未満の乳児では重症化することもあります。2歳以上では鼻汁や上気道炎症状のみ(いわゆるかぜ症状)で数日のうちに軽快することが多いようです。そういう特性も考慮され、RSウイルスの迅速検査も保険適応があるのは1歳未満になっています。☆できるだけ感染を拡大させないためには、咳エチケット(特に0歳児と1歳児に日常的に接する保育士さん等)が大切です。接触感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すり、ドアノブなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生にも努めて下さいね。

救急搬入

 11日は休日でも有り、夜間の救急車搬入が2件ありました。1件は、熱性痙攣の1歳女児。もう1件は、ゲーム中の呼吸苦を訴えているという10歳男児。デジタルディメンチアという本を紹介したばかりでしたが、この子どもにどれくらいゲームしてたの?と尋ねたら、『わからない』。夕飯は何時頃食べたのと聞いても『わからない』。保護者の方に尋ねたら、『今日自分は夜遅く帰ってきたので、みてないのでどれくらいゲームしていたのかわからない』。一日中してたの?と尋ねたら、『一日中ではない』との答え。なんでもシューティングゲームなるものをしていたとのこと。救急隊到着時は、脈拍が頻拍気味でしたが、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)も正常。来院時は、どちらもまったく正常。おそらく一時的に過呼吸状態になったのでしょう。、病院で処置することはありませんでした。ゲームのしすぎが、身体や精神に及ぼす影響を親子を交えて話しました。これがホントのムンテラ(ムンテラ:ドイツ語でムント・テラピーmundtherapie、英語に置き換えるとマウス・セラピー、口で治療することを意味)!?かなりの長時間ゲームに没頭していたのでしょう。この集中力を他の面で生かしてほしいものだと診察しながら思った次第です。*以前、ゲームのしすぎて意識を失い救急車搬入された児童を経験していますが、ゲームのしすぎもばかになりません。

肥満傾向

 文科省の学校保健統計調査で、宮崎県の子どもは男女ともに全国平均より低身長で、肥満傾向の子どもの割合が全国より高い傾向が明らかになったと本日の宮日で報道されています。身長は遺伝的要素が強いですが、肥満は食べ過ぎ(おやつも含め)や生活リズムの乱れ、運動不足が大きく関与します。ただ、摂取カロリー過多を運動で補おうとするとかなりの運動量が必要になるのが一般的です。かく言う私も正月太りの解消に少々手こずってます。子どもの場合は先ずはおやつの見直し。そして、最初は極端に体重を落とそうとせず、現状維持から少しずつ落としていくように目標設定すると長続きするかもしれませんね。運動も私が子どもの頃は、学校が始まる前に運動場でひと遊びして、キンコンカンのチャイムと競うようにして教室に入り、昼休み、放課後と友達と遊んでいたのを思い出しますが・・・。今の子ども達は学校が終われば塾やスポーツ教室で放課後友達とつるんで遊ぶと言うこともなさそうでちょっとかわいそう。自然環境の豊かな田舎の子どもの方が運動量豊富ということはなく、宮崎でもちょっとした距離は車で移動。逆に東京のような都会の子どもの方が地下鉄の上り下りやプラットホームまで毎日結構歩いていて運動量が多い?

デジタルディメンチア

 スマホを含めICT(Information and Communication Technology)の功罪が議論されている時、『デジタルディメンチア』という本を知り読んでみました。著者はドイツのフライブルク大学で医学と哲学のダブルドクターを取得し、現在ドイツのウルム大学精神科主任教授マンフレド・シュピッツアーという人で脳の認知プロセス研究の専門家です。その経験を通して、子ども達の脳にICTがどのような影響を与えるかを分かり易く解説しています。子どもが学習するということはどういうことかも理解できます。これを読むと小さいうちにICTは与えない方がいいなと思えるのでは。日本小児科医会の以下の提言は至極まともで、その根拠がこの本には十分すぎるくらい記載されています。
1. 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを 目安と考えます。テレビゲームは1日 30 分までを目安と考えます。
4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしま しょう。
5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。
巻末に膨大な文献紹介もあり、疑問があれば文献に当たって確かめることが出来るようになっています。子育て中の方、子どもに関わる保育士、学校関係者の方にもぜひ読んで欲しい一冊です。☆最後のまとめの4ページだけでもためになりますよ。

今月の当直

 球春を迎えた宮崎ですが、♪春は名のみの・・・・・の歌詞がぴったりといってもいい、とても寒い日が続いていますね。木曜午後は新富町の乳児健診。39名の呼び出しで37名の受診。寒かったので少ないかなと思っていましたが、いい意味で予想を裏切られました。ただびっくりしたのは、全く予防接種をされていない方が1人いらっしゃったこと。思わず受けない主義なのですかと尋ねたらそんなことはないとのこと。出来るだけ早くと勧めましたが、受けてくださるといいのですが。夜は宮崎市の夜間急病センター当直でした。準夜勤の先生との申し送りでは、インフルエンザのピークは過ぎたようとの事でしたが、深夜帯でもインフルエンザを心配しての来院は一人だけ。しかも熱が出たばかりでの来院だったので、検査もできませんでした。高校や大学入試の時期、インフルエンザの勢いが衰え、一安心ですね。受験生の皆さんが遺憾なく実力が発揮できることを祈ってます。帰るとき玄関先で看護師さんたちが駐車場をのぞいています。先生の車は大丈夫ですか?みるとフロントガラス一面が凍っている車が。幸い私の車は大丈夫で無事帰ることができました。

アメリカで、はしか(麻しん)の流行

 今日のNHKニュースでも報道されましたが、『アメリカのCDCによりますと、カリフォルニア州にあるテーマパーク、ディズニーランドを訪れた人や従業員の間ではしかが広がり、去年暮れからこれまでに報告されたはしかの患者は、7つの州で合わせて67人に急増したということです。アメリカでは、はしかは、ワクチンの接種など対策を進めた結果、2000年に土着のウイルスがいない状態になり、そのあと患者の数は、海外で感染した人など年間100人から200人程度で推移していました。しかし、去年は患者の数が600人を超えて再び増加する傾向を示したことから、CDCは感染の拡大を防ぐためワクチンを接種するよう呼びかけています。』これは決して対岸の火事ではありません。日本でも時々海外から持ち込まれた麻しんの小流行がみられていますが、麻しん抗体価の低い人が集積している現在、いつ大流行が起こってもおかしくない状況にあります。アメリカの例でわかるように多くの人が集まるところでは、感染リスクも高まります。ワクチンで防げる病気ですので、MRワクチン早めに受けて下さいね。

全豪オープンテニス

あっという間に1月が過ぎ、早2月。悲惨なニュースが多い中、車いすテニスの国枝選手が全豪オープンテニスで単複優勝。昨年のウィンブルドンからグランドスラム3大会連続制覇で、なんと全豪8度目の優勝。女子の上地結衣選手も2年連続ダブルス優勝。シングルスも準優勝。錦織選手の活躍で俄然注目度が上がったテニスですが、車いすテニスの活躍も素晴らしいし、うれしいニュースです。人間のすごさ、可能性を目の当たりにし、元気づけられます。野球の世界では野茂英雄が功績をたたえられ野球殿堂入りを果たしました。今では日本人選手の大リーグ入りが当たり前のようになっていますが、テニスの世界でも、錦織や国枝、上地選手に続く人が続々出てくるのではと期待してしまいます。つい先日、高鍋のテニスコートでプレーをしてると、体育館に来ていた全く知らない人がゲームを観戦し、終わった時『錦織のようにはいかんかね』と声をかけられました。今までなかったことです。もっと上達して、観戦する人をがっかりさせないようにしないとと思いました。