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素敵なカレンダー

 先日、山口県の田原医師からいただいたカレンダー。1997年に初めて発行され、1年だけ空白があったようですが、現在まで続いているカレンダー。公募写真から選ばれたものがカレンダーになっています。ダウン症についての正しい理解が社会の隅々まで続くよう、ダウン症に対する偏見と差別がなくなるようにという思いで作られているそうです。親御さんの子どもへの愛情が写真からにじみ出てくるようで、とても素敵なカレンダーになっています。2015年院内に掲示しますので、カレンダーと一緒に新年を味わってください。*愛児クリニック付属予測医療研究所のダウン症カレンダー発行委員会(代表 飯沼和三)製作。
 この一年、つたないブログにおつきあいくださり、ありがとうございます。来年もよろしくお願い致します。
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警報発令

 昨日、感染性胃腸炎の報告数が流行警報レベル開始基準値(定点あたり 20)を超え、警報が発令されました。前週に比べて約1.3倍の増加です。年齢別では1歳から2歳が全体の約4割を占めています。例年より流行のピークが遅く、年末年始に流行が予想されています。保健所別では、小林がダントツ。次いで中央保健所管内、日南と続いています。調理や食事の前、オムツ交換やトイレの後は、石けんによる手洗いを励行し、ペーパータオルを使用するなど、タオルの共用は避けましょう。嘔吐物により衣類などが汚染した場合は、0.02%次亜塩素酸ナトリウムにより消毒した後、他の洗濯物と別に洗濯。嘔吐物の処理が適切でないと感染が拡大する恐れがありますので十分気を付けてください。また、インフルエンザも先週の2倍に増えています。今年最後の診療だった今日、やはり感染性胃腸炎とインフルエンザが多くなっている印象です。子どもから大人への感染も少なくありません。人と会う機会も多いかと思いますが、体調管理と手洗い、マスクなどでできるだけ病気をもらわないよう御注意を。
※来年は1月4日休日在宅医でスタートです。よいお年をお迎えください。
*1月4日(日)は休日在宅医です。診療時間は午前9時〜12時、午後2時〜5時で予約は出来ません。

救急電話相談

 24日クリスマスイブは今年最後の救急電話の当番でした。1歳代の乳児が大人の薬を誤飲したとの相談がありました。乳児は何でも口に入れます。それを前提に誤飲しそうなものを乳児の周囲に置かないよう気を付けてください。慌ただしい年末、大掃除などの際、注意が散漫になりやすいですので。
 さて、この救急電話相談事業ですが、来年1月5日から相談時間が延長されます。今まで夕方7時から11時までだったのが、365日、夕方7時から翌朝8時までに時間が大幅に延長されます。かかりつけの小児科が終了してから、翌日始まるまでの空白の時間がほぼカバーされ利便性が高まります。時間外に心配なこと、相談したいことがありましたら御利用ください。電話番号は今まで同様で#8000(あるいは0985-35-8855)です。

銀杏

 せっかくの休日でしたが、今日は一日会議でした。会議に出席する前の朝の散歩。その途中で見つけた銀杏です。冷たい空気が心地よく、銀杏の黄色と空の青のコントラストが気に入り、思わず一枚。
 今年も残り少なくなりましたが、あと一つ公務が残っています。それが終わったら、年に一度の行事である年賀状書きが残っています。まだこの時点でもどんな賀状にするかアイデアが出てきません。皆さんは年越しの準備は出来てますか?
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インフルエンザの流行始まる

 宮崎でも、定点医療機関の当たりのインフルエンザの報告数が2.8と増加、流行の目安となる1.0を超えました。当院でも少しずつ増えてきています。先日は修学旅行帰りの高校生が続けて来院。一人はカナダ、一人は東京から帰ってきたとのこと。人の移動が多くなる空港での感染?年末年始の民族大移動後がインフルエンザのピークでしょうか。
 さて、今年も残すところあと10日ほど、このあわただしい時期の県知事選挙。衆議院選挙の投票率は低かったようですが、県知事選はどうかな。期待を込めた一票、激励の一票、批判の一票いろんな思いを込めた一票があると思いますが、せっかくの権利、自分の意思表示はしたいものです。ただ選挙の度に思うのは、世論調査である程度結果が予想される場合は、興醒めです。誰が当選するのかなというワクワク感を奪っているのも低投票率の一因ではと感じることがあります。

感染症危機管理・予防接種実務担当者研修会(2)

昨日の午後高鍋町の乳児健診で今年の乳健終了しました。予定より少ない人数だったのは寒さが影響したかな。さて、今回は近い将来(来年度は無理のよう)定期接種化されるといわれているB型肝炎ワクチンについて。
1)日本では100〜130万人がB型肝炎ウイルスに持続感染していると推定されている。
2)従来の日本人にみられたB型肝炎ウイルス(HBV)の大部分をしめていたジェノタイプB,C以外のジェノタイプA(外来種;おもに性交感染)の急性肝炎が増えている。
3)ジェノタイプAの慢性化率は20〜30%とB,Cに比べ高い。
4)急性肝炎後の慢性化率は10〜30%。持続感染患者の10〜20%は慢性肝炎へと移行し、その中から肝硬変、肝臓がんへと進行。
5)世界の約4億人が持続感染していると推定。すなわちいつ、どこで感染するか分からない。それゆえ、世界的には193カ国中、158カ国が小児全員にHBワクチンを投与している(ユニバーサルワクチネーション)。
6)日本では、母子感染防止事業で大きな成果を上げている(セレクティブワクチネーション)が、やはりユニバーサルワクチネーションの方がよさそう。
最後に、感染症、予防接種ナビのHP紹介があり、2時間弱の講演終了。このHP結構いろんな情報を手に入れることが出来ますよ。

感染症危機管理・予防接種実務担当者研修会(1)

 15日夜上記研修会に参加してきました。流行しだしたインフルエンザ、今年から定期接種化された水痘、高齢者肺炎球菌ワクチン、そして近いうちに定期化されるであろうB型肝炎ワクチンとデング熱に関して多数のスライドを使用して話されました。小児に関係する部分を要約すると以下の通りです。
1)インフルエンザに関してはいつ、どの型から流行しはじめるか、予測困難。
2)インフルエンザワクチンの接種は感染後の発症者数、発症後の重症者数を大幅に減らすことが期待できる唯一の予防方法であると言っても過言ではない。
3)インフルエンザワクチンは、11月中に2回受けておくのが理想的!
4)水痘ワクチンは、2回目を3ヶ月おいてしても、MRワクチンのように年長児でしても抗体保有率、抗体価は1回接種と比べて大きく上回る。水痘の罹患年齢を考えると日本やドイツのように2回目を早めにやるのは理にかなっている。
5)水痘に罹患すると後日帯状疱疹にかかるリスクがあるが、宮崎県の研究では80歳までに3人に1人は帯状疱疹になると推定されている。乳児の水痘ワクチン接種が軌道に乗ると、将来水痘や帯状疱疹をみたことがないという若い医師が出てくるかも。
 B型肝炎ワクチンに関しては次回に。

痩身女性の増加

 2013年の国民健康・栄養調査で、体容量指数{body mass index=体重(キロ)÷身長(メートル)²}が18.5未満だったやせている成人女性の割合が12.3%と調査を始めた1980年以降最高を更新したとのことです。先日の高鍋町との保健医療懇話会で未熟児が町内で10人ほど出生しているという話がありました。未熟児の背景を町が把握しているデータでみたところ、母親のBMIが19未満のやせと唯一関連していたとのこと。妊婦のやせは胎児にもよくありません。今回の厚労省の調査では、栄養バランスの優れた食事を3食取っている人の割合も初めて調査したそうですが、男女とも20〜40代はいずれも20%台と低く、運動習慣のある人も20代、30代では10%台と若年世代で悪い傾向がみられています。一方、BMIが「25以上」の肥満の成人男性の割合は28.6%でここ数年横ばいとのこと。25をちょっと切っているだけの私も要注意かな。

今年最後の急病センター当直

11日夕方から、今年最後の児湯医師会理事会に出席し、その後宮崎市の急病センター当直に行ってきました。準夜帯はバラエティに富んでいたようですが、インフルエンザはいなかったとのこと。ただ、検査記録簿によると数日前からちらほらとインフルエンザ検査で陽性反応が出ているようです。AもBも出ていました。ただ、残念なことにどの地域から来た子どもかの記載が無いため、今どこでインフルエンザが流行ってきだしたのかの把握が出来ません。深夜帯でもインフルエンザを疑う子どもはいませんでしたが、嘔吐、腹痛、下痢などのおなかの症状を訴える子どもがコンスタントに来院。まだ感染性性胃腸炎の方が優勢のようです。帰宅後の診療でも点滴加療を要する子どもがいましたが、昨日当院今冬初のインフルエンザがでました。新富の中学生です。単なる発熱だけ。クラスにインフルエンザが出たという情報があり、検査したらインフルエンザAでした。予防接種をしていたから軽くで済んだのか?今出ているインフルエンザそのものが軽症なのか、まだ不明ですが、いよいよインフルエンザのシーズンが到来したのは間違いなさそうです。

当地の感染症動向

 全国的にはRSウイルス感染症が11月の最終週で過去10年で最多になったとの報道がありましたが、児湯周辺ではそれほどでもありません。今の時期に!?と思えるヘルパンギーナや手足口病が小流行しているのと、嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を呈する子どもが増えています。当院でも、昨日も久し振りに嘔吐下痢で点滴加療の子どもが複数ありました。お母さんも子どもの看病で感染したと思われ、一緒に点滴となりました。子どもも大変だけどお母さんがダウンするとかなりの痛手。吐物や下痢の処置をしっかししないと家族が全滅ということにもなりかねません。胃腸炎は経口感染だけでなく、塵埃感染といって、吐物が乾燥してそこに含まれていたウイルスが空気中に漂い、それを吸い込むことによって感染することもあります。吐いた時は広範囲を次亜塩素酸を含む溶液でしっかり拭き、拭いたものや汚染されたものはビニール袋に密閉してゴミに出しましょう。

LOVE

『みやざき中央新聞』2578号にシンガーソングライター&カウンセラーという『えっ!?』と思わず言ってしまいそうな肩書きを持つ南修治さんの話が載っていました。それに、LOVEという言葉について書いてありました。これはもともと英語圏になく、聖書の「神様が無条件に私達を愛してくれた」と言うことを訳していく中で、愛することを説明する四つの行為の頭文字を取って作られた言葉だという説明がありました。LはListen(耳を傾けて聞く)、OはOver Look(細かいことは見ず、全体を見る)、VはVoice(声をかける)、EはExcuse(赦す)。相手の話に耳を傾け、全体を見つめながらその存在を認め、声を掛けて、すべてを赦すことが、愛することなんだと。よく見聞きする言葉もその成り立ちを知ると、ちょっと心豊かになったような、楽しい気分に。より愛着も湧いてきますね。

18年目に突入

 12月5日(金)で今年の夜間インフルエンザ予防接種を終了しました。全国的にインフルエンザの流行が昨年より3週間ほど早く始まったとの報道がありましたが、ここ児湯でも新富の小学校でインフルエンザの発生が報告されたようです。予防接種に含まれている型と合っているといいのですが。さて、当院も6日で開院して18年目に入りました。皆様に支えられて大過なくやってこれたことを感謝します。今年は、電子カルテ導入という新しい試みに挑戦しました。よりよい医療環境を求めて更なる努力をしていきたいと思います。職員からプレゼントをもらいました。一つは、診察室に、もう一つは隔離室に置きました。
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劇症型A群連鎖球菌感染症の増加

 小児ではよくみられる溶連菌感染症。コンスタントにみられていますが、最近劇症型A群連鎖球菌感染症が増加しているとの報道がなされました。その概要は『日本における最初の典型的な症例は1992年に報告されており、現在までに200人を超える患者が確認されている。そして、このうち約30%が死亡しており、きわめて致死率の高い感染症である。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は子供から大人まで広範囲の年齢層に発症するが、特に30歳以上の大人に多いのがひとつの特徴である(IDWR 2002年40, 41号参照)初期症状としては四肢の疼痛、腫脹、発熱、血圧低下などで、発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部組織壊死、急性腎不全、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全(MOF)を引き起こし、ショック状態から死に至ることも多い。近年、妊産婦の症例も報告されている・・・』幸い私自身は劇症型の経験はありません。そういえば、先日福岡市の研究会での発表の中で溶連菌のワクチンの話がありました。アメリカで溶連菌のワクチンが開発され治験中とのこと。世界を6地域に分割し、各地で発生した溶連菌による4疾患群(侵襲性疾患、咽頭炎、皮膚疾患、その他の疾患)から分離された菌の型を調べ、そのワクチンのカバー率を算出し公表しているそうですが、予防効果は悪くないようで、早期のワクチン導入が望まれるとのことでした。小児の主な感染症は予防できる時代が近づいてるかな。

高鍋町保健医療懇話会

 一年に一回、行政側と医療者側が集まる会議が昨夕行われました。母子保健関係では健診時の調査で、10時以降に就寝する子どもが平成21年以降漸減していたのですが、昨年は1歳6ヶ月で27.6%、3歳で39.2%と前年比約7%の増加でした。また、一人あたりの齲歯数が、1歳6ヶ月で0.2(有病率6.19)、3歳で1.51(有病率31.9)と全国平均を上回ってしまったとの報告がありました。生活リズムはその後の発達にも影響を及ぼします。改善して欲しいです。低体重出生児も10名。保健師さんの調査で母親のBMIが18以下で高齢出産との関連が認められたとのことです。やせすぎは胎児によくないようで、子どもを身ごもる時は、スタイルより、適正体重を維持することに留意して欲しいですね。予防接種関連では、『水痘の定期の予防接種の特例措置対象者である3歳及び4歳の児については、平成26年10月1日よりも前に自費での法定外接種を1回受けていても、定期の予防接種として1回の接種を受けられるように、さらに特例措置内容の期間の延長を』要望してきました。*町営プールの利用がH25年度は年間33,488名。アンケートからは腰痛、膝痛にいい、体重が減ったとの回答が多かったようです。子ども水泳教室参加人数も3,472名。モーニングスイムやナイトスイムもあり、思った以上に利用されているようです。
*12月7日(日)は休日在宅医です。診療時間は午前9時〜12時、午後2時〜5時で予約は出来ません。 

九州外来小児科学研究会

11月最後の日曜日は、福岡で行われた第17回九州外来小児科学研究会に参加してきました。午前中は一般演題10題。その中には宮崎から三宅会長が成人の麻しん、風しん抗体価の発表もありました。いずれかの抗体を持っていない人は各年代でまだかなりの数に上ることが分かりました。抗体検査の補助があるうちにぜひ検査を受けて欲しいですし、一回しか麻しんの予防接種を受けていない人はぜひMRワクチンを受けて欲しいものです。お昼は世話人会。それが終わって特別講演に参加。最初は『発達障害の肯定的理解と支援』と題して多くの障害児を診ておられる西川医院発達診療部・発達障害研究センターの林隆先生の講演。山口の先生らしく、同じ山口出身の金子みすゞの詩を間に入れながら(みんな違ってみんないい)、肯定的理解とはを具体例を挙げながら話されとてもためになりました。特に印象に残った言葉は諦めることの効用。『諦めるは仏教用語で真実を見極めること。諦めることはギブアップとは違い、障害児と接する際には、出来ることと出来ないことを見極めること。周囲の大人が子どもが今出来ないことをあきらめれば、子どもは自分の人生を諦めずに済むと』、『社会的自立とは何でも一人でできることではない。自分ができることと、できないことを知っていること。自分が出来ないことは抱え込まず、誰かにお願いする。お願いを聞いてもらえたら、相手に感謝すること』いう言葉でした。第2弾は岡部貴裕先生の『小児における保湿剤、ステロイド外用剤、プロトピック軟膏の上手な指導法』でした。明日からの診療に活かせる内容でした。