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百日咳の増加

 ゴールデンウイークに入り、海外も含めて移動が多くなる時期、ちまたでは豚インフルエンザの話題でもちきりですね。さて、国内に目を転じると今年日本では百日咳の患者数が、過去10年間で最悪のペースで増えていることが懸念されています。国立感染症研究所の調査では、今年に入って3月29日までに1,086人の患者数の報告があったことがわかりました。ここ10年は大人の感染が増えているのが特徴で、10年前は数%だった20歳以上の患者の割合が、昨年は36・7%(2/3が16歳以上)を占めています。一方で0歳児と1歳児の割合も昨年より増えているということで、三種混合の予防接種がまだな方はぜひ早めに受けておいてくださいね、免疫ができるのにはある程度の時間が必要になりますので。百日咳の症状は長く持続する激しい咳ですが、次第に咳が夜間に増悪するようになります。コンコンコンコンと連続した咳(スタッカートといいます)で顔が真っ赤になり、咳とともに吐くこともあるくらいひどくなります。咳き込んで息を吸い込む時にヒーというような笛をふくような音(レプリーゼといいます)を発するようになります。時にチアノーゼや呼吸停止、さらに増悪すると痙攣,ショックで死亡することもあるこわい病気です。治療は通常の抗生剤ではなく、マクロライド系、テトラサイクリン系という抗生剤になります。
 

お母さんの服薬

 夏を思わせるような陽気が続いたかと思うと急に涼しくなったり、昨夜から大雨と結構体調を崩すことの多い時期です。特にお母さんが病気になると、育児や家事の事も気になり大変ですね。乳児がいて母乳をやっている時は薬を飲もうか飲むまいかと悩むこともあるでしょう。理論的には、服薬した薬の1/100~1/1,000が吸収され、そのうちの1/10~1/100が母乳にでて、その母乳に出てきた1/100~1/1,000が赤ちゃんに吸収されるとのことです。すなわち「多くの薬剤は母乳に移行してもその量は非常に少なく、授乳を中止するほどの問題にはならない」ということです。それでも念には念を入れて、乳児への薬剤の影響を少なくするために、米国小児科学会は服薬のタイミングを授乳直後かまたは乳児が長い睡眠に入る直前にと推奨しています。必要な薬を我慢して、大変な思いをしながら授乳を続けるよりも、お母さんも病気の時はかかりつけのDrに診てもらって適切な治療をした方が良いですよ。
*4月26日(日)は、休日在宅医です。休日在宅医の際の診療は午前9時~12時、午後2時~5時です。

スーパーボールによる窒息

 お祭りやゲームセンターで『スーパーボールすくい』というものがあるそうです。子どもが成長してあまり祭りに行かなくなった私はその存在を知らなかったのですが、小さい子供のいるスタッフにきくとみかけるとのこと。そのボールは大きさが23mmと小さく簡単に口の中に入るそうです。日本小児科学会の〈傷害注意速報〉に、3歳の男の子がスーパーボールを口に入れ窒息したケースの報告がありました。このボールは包装されておらず、注意書き等の記載もされていません。それ故、保護者に危険物であることがわかりにくいようです。子どもは大人がまさか口に入れないだろうというものも入れることが多々あります。ちなみに3歳児では、39mmより小さければ口に入ります。結構大きいものが口に入ることが実感できると思います。夏に向けて祭りやイベント等多くなる時期です。気をつけてくださいね。

木のいのち木のこころ 

宮大工、西岡常一とその弟子小川三夫、そして作家塩野米松三者による本です(新潮文庫、本体857円)。もちろん、宮大工のなんたるか、職人の技の伝承(徒弟制度も含め)についても書いてあるのですが、これはそのまま人を育てるとはどういう事かというりっぱな教育論そのものに思えます。『堂塔;の木組みは寸法で組まず木の癖で組め』。堂塔を組む時もねじれた木や、山の高いところで育った木、中腹で育った木等、うまく生かして組むそうです。弟子でも、兄弟でもクラスでもいろんな個性があると思いますが、西岡さんはひとりひとり一人前になるのに必要な時間は異なりますが、必ずその子をいかせる場所があると言います。母親の役割についても言及しています。子育て中の方が読んでも学校の先生が読んでも組織をまとめる人が読んでも得られるものは多いような気がします。何故法隆寺や薬師寺の塔が1000年以上の長きにわたって風雨や地震に耐えているかという観点からだけでもおもしろい読み物ですが、科学がこれだけ進んだ現代人からみてもすごいと思える飛鳥時代の人たちの智恵、技術に思いをはせるのもいいものです。刃物を一人前に研げるようになるのに3年、人によって進み具合も違うし、早くできることがよい大工になることにつながるとも言えないというふうに弟子を育て、数百年後を見据えて仕事をしている人がいるかと思うと、自分自身の人や仕事への接し方を考えさせられます。
絵本『さるのせんせいとへびのかんごふさん』『へびのせんせいとさるのかんごふさん』が待合の本棚に仲間入りしました。

smile

 15日の夜は、急病センター当直でした。未明に熱性痙攣で救急車が来た以外は、ほとんどが嘔吐下痢症でした。さすがに、インフルエンザBは峠を越した印象です。
 テニス好きには、昨日は久しぶりにうれしいニュース。伊達公子が、海外で下部ツアーではありますが、優勝したとの記事。野球では大リーグを目指す若者が増え、ゴルフ界でも海外挑戦の話題が出てきていますが、テニスでは何故か海外に積極的に出て行こうという人が少ないような。テニス人口そのものが少ないのかな。さて、その伊達のブログを時折のぞくのですが、ブログのタイトルがいいですね、『always smile』。当院のロゴも子ども達の笑顔をみたい、引き出したいという思いで考えたのですが、自分もalways smileを意識したいものです。笑いは健康の元!

新生児聴覚スクリーニング事業

 4月11日診療を終えて高鍋駅へ(時間が合えば、電車が一番速い)。宮崎行きへぎりぎりセーフ。宮崎市内で行われた「新生児聴覚スクリーニング事業」に関する講演会に出席してきました。講演会会場到着もぎりぎりで、空いている席は一番前。そこで2時間超の講演を聴きました。現在、新生児聴覚スクリーニング事業で一番の先進県は岡山県。岡山大学の耳鼻咽喉・頭頸部外科から現在中心的役割を担っている福島邦博先生がみえて、その取り組みの紹介がありました。1人/1,000人の割合で生まれてくる難聴のお子さんを産婦人科に入院している段階でスクリーニング。スクリーニング後の精査で約40%が真の難聴ということです。難聴が判明したら早期に補聴器をつけたり、必要に応じて内耳の手術等を経て早期療育をすることでかなり言語発達が望めるという事でした。宮崎の現状を、宮崎大学医学部の牛迫泰明先生が発表されましたが、全国に比べるとまだまだ遅れており、今年度から本格的にスタートするようですが、まだ詰めの作業が残っている段階のようです。現場の産婦人科の先生にとっては、検査機器の導入、検査時間の確保とかなりの負担増となるようですが、産科、小児科、耳鼻科が連携してこのスクリーニング事業が円滑に運営されるようにという思いもあってか、このような講演会では珍しく、産科・小児科・耳鼻咽喉科合同カンファレンスという形をとりました。あとは、センターとなる施設の人的、財政的保証、スクリーニング事業から漏れる施設、助産施設、自宅出産の子ども達への対処等、行政の支援、連携がどれだけできるかでしょうか。

異物の侵入

 先日、国民生活センターが子どもの誤飲や耳、鼻への「異物の侵入」が、6年で3000件あったと発表しましたが、この数は氷山の一角というのが私の実感です。小児科外来で多いのは、タバコ、硬貨、ボタン電池、おもちゃ類の誤飲が多い傾向にあります。タバコの吸い殻をジュースの缶の中に入れる人は結構いるようですが、その缶を誤って子どもが飲むと急性のニコチン中毒になります。下手すると命に関わります。タバコは家の中に持ち込まないようお願い致します。誤飲だけでなく、タバコの煙を吸い込むことによる受動喫煙の害も子どもはもろに受けることになります。「換気扇の下で吸ってる」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、これでも駄目です。換気扇を回していても料理の臭いはわかりますよね。硬貨は胃の中に落ちさえすれば一般的には排便されるのですが、保護者としては確認できるまで気が休まりません。ボタン電池は、電流で粘膜などの組織を壊死させる(鼻の粘膜が壊死して手術したり、胃に穴があくケースも)ので危険です。特に御注意を!また、ビーズは鼻の穴に詰めたり、耳に詰めたりすることがあります。親の薬の誤飲も結構相談の電話が多い部類の一つです。乳幼児は手に触れたものは何でも口に入れると思って(大人の常識では絶対に飲み込むはずがないというものも報告があります)、手の届く範囲に危ないものを置かないようお願いしますね。

結核

 4月7日より、松本さんがスタッフに加わりました。朝の予約電話担当です。社会人1年生です。初めてづくしでご迷惑をおかけする事も多いかと思いますが、よろしくお願い致します。
 さて、はりせんぼんの箕輪 はるかさんが結核で入院というニュースが流れたので、今日は結核について。現在結核予防のため3ヶ月健診でBCG接種をするようになりましたが、日本は先進国の中では結核がまだ蔓延している方(中蔓延国)に入ります。1年間に新たに患者になる人は2万5干人以上、死亡する人は2千人にものぼります。報道でもありましたが、最近は不特定多数が集まりやすい都会で、かつ、そのような場所に多く出かける若い世代で問題になっているようです。小、中、高校では毎年1回結核の早期発見のための問診が義務づけられましたが、年1回では間に合わないこともあります。咳が長引く時は要注意と考えた方が良さそうですね。結核は一旦患者が発生すると今回のように接触した人を当たっていかないといけないので大変です。診断はツベルクリン反応や胸部レントゲンが主ですが、最近はBCGワクチンの影響を受けないクォンティフェロンTB-2Gをつかった検査方法が開発されました。しかし、まだ取扱機関が少なく一般の診療所に普及している段階ではありません。人が多く密閉された環境に近い施設に行くのをできるだけ避け、快食、快眠、快便で病気になりにくい生活を心がけることが一番の予防かもしれません。

教室はまちがうところだ

 休診中はご迷惑をおかけしました。また、4日(土曜)は休診あけのためか、外来が混雑して待ち時間が長くなった方もいらっしゃったようです。お詫びいたします。
 さて、今週からは多くのところで新学期も始まります。新一年生は緊張して毎日を過ごしているかもしれませんね。今日紹介する【教室はまちがうところだ】は蒔田 晋治氏の詩に長谷川知子さんが絵をそえて絵本にしたものです。長谷川さんが『私は、手をあげられない子どもの気持ち、わかるなあ、まちがったっていい、どんどん上げろ、「そのうち当たることもある」っていってくれる先生のおおらかな気持ち、いいなあって,どっちの気持ちも味わいながら描きました』と言っています。作者の蒔田さんは、中学2年生を担当した時にその生徒達に向かって書いた詩ということですが、小学校3年生からの反響もあって感激したということです。子どもの未来社からでています。本体1,500円。
 【いのちのまつり「ヌチヌグスージ」】 草場 一壽 作 平安座 資尚 絵 サンマーク出版 本体1,500円。
副題からして作は沖縄の人と思っていたら、佐賀の陶彩画家が作者で、絵を描いた人が沖縄の人でした。沖縄の墓を初めて見た時はびっくりしましたが、沖縄の人の先祖を敬う気持ちの強さを知って感心したことを思い出します。この本の中にも命のつながりが実感できるページがあります。乱暴に扱うとやぶけやすいので、この本は待合の本棚には出していません。貸し出しはOKです。ご希望の方は受付におっしゃってください。

予防接種の時

さすがに先月末はMR混合ワクチンの接種が多かったです。全国で最低レベルのMRⅡ、Ⅲ期の接種率がどれだけあがったか気になる所です。さて、これからは予防接種をするのにいい季節になります。4月からは新たにMRⅡ、Ⅲ、Ⅳ期の接種対象者が生まれます。ぎりぎりだと、病気等思わぬことで受けることができないことがあります。早めにすませておきましょう。
 予防接種は、子どもが病気にならないようにとの思いのこもった親から子どもへのプレゼントです。診察の時、「いうことをきかないと注射してもらうよ」「悪いことばっかりするから注射してもらおかね」なんておっしゃらないでくださいね。予防接種に悪い先入観を植え付けることになりかねません。予防接種の時は、「病気にならないように、身体を強くするためのものだからね、少し痛いかもしれないけど我慢してね」というような声掛けをぜひしてほしいと思っています。乳幼児でもいろんな思いを受け取っています。それと、予防接種を受けるべく診察室に入ってから「今日は注射はせん」と言って子どもをなだめようとされるお母さんがいらっしゃいます。子どもが親の言葉をまったく信用しなくなるのじゃないかと心配になります。予防接種の時間は親子の関係を垣間見せてくれる時間でもありますが、昨年まで泣いて暴れて大変だった子どもが、ぐっと我慢したり、痛くないと言って帰ったり子どもの成長を実感できる時間でもあります。 
*3月31日(火)~4月3日(金)まで休診です。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。