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知らなかった!

 今週の『みやざき中央新聞(宮崎発夢未来~美しい郷土を子どもたちに』←(宮崎以外の方にもお勧めの新聞です。見聞きしたくない話は載っていません)のタイトルをみてびっくり。〈教育がこんなに遅れている国はほかにありません〉というタイトルで尾木直樹さんが書いています。授業料滞納で高校を途中でやめざるを得なかったり、卒業証書を返納させたというニュースがありましたが、世界的に見れば高校で授業料を取っている国は、日本、韓国、ポルトガル、イタリアの4カ国だけだそうです。日本は、教育の機会均等が親の経済力で妨げられている国の一つなんですね。無保険の子どもが問題になりましたが、教育の面でも子どもの権利が侵害されていると言えますね。大学も、入るまでの受験勉強はハードですが、入った後は?というよりも、入るのは自由、そこから好きなことをしっかり学ぶという方が、いいように思えます。それだと、何歳になっても学ぼうと思う時に学べますね。そういえば、先日の宮日新聞に還暦の獣医学博士誕生が報じられていました。養豚業の傍ら、2004年に研究科に入学して勉強や実験を重ね5年間で博士号を取得。今でも毎週自宅で学生や、若い獣医師、薬メーカーの人たちと勉強会を開いているとのこと。私も頑張らねば。

おしゃぶり

 当院では、『おしゃぶり』を漫然と使用しないよう、平成17年からポスターやパンフレットで注意を喚起してきました。以前に比べるとおしゃぶりをしている子どもが減ったようにも感じますが、そのおしゃぶりによる害に関して2006年に起こされた訴訟も昨年和解に至りました。これ以後は、おしゃぶりのパッケージに注意記載がなされるようになり、母子手帳にもおしゃぶりの長期間使用への注意記載を追加するよう厚生労働省から各都道府県に通知されたようです。
 以下のグラフは、高鍋町健康づくりセンターの保健師さん達が1歳6ヶ月健診にこられた子ども達を対象に調べられたデータです。このまま使用が減っていってくれるといいですね。
図2
☆おしゃぶりの欠点:かみ合わせが悪くなったり、発音、構音障害、咀嚼不全、いわゆる『おしゃぶり誘発顎顔面変形症』といわれる変形等や、あやすのが減ったり,ことばかけや、ふれあいが減ったり発語の機会が減ったりする危惧があります。
*3月31日(火)~4月3日(金)まで、休診となります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。

お疲れ様でした

 卒園式や卒業式の話を聞くこの頃です。早いところでは春休みに入っているようで、わが家でも末っ子が昨日帰省してきました。さて、2004年4月の電話予約開始以来、約5年間にわたり朝7時からの電話受付を担当してくれた井上さんが、突然のご主人の転勤で県外に転居されることになりました。この間、ご家族の看病で数日休まれたのみで頑張ってもらいました。本当にありがとうございました。お疲れ様でした。急なこともあり、まだ後任が決まっておりません。25日から当面私たちが予約電話を受けることになります。声が違うとびっくりしないでくださいね。
 

わが家の母はビョーキです

 学校を休職している先生の62%が精神系の疾患を抱えているというニュースが伝えられました。笹川尭総務会長は「今、うつ病で休業している先生(教師)がたくさんいらっしゃる。国会議員には1人もいない。そんな気が弱かったら務まりませんから」なんて、病気を全く理解してないばかりか、うつになった人やその家族の気持ちを逆なでするようなことを言っています。そんなおり、この本を手にしました。そしたら、なんと100人に一人が統合失調症を発症しているとのこと。意外に多いですね。『わが家の母はビョーキです』の著者が4歳の時に母親が統合失調症を発症。「うつが心のかぜ(厚生労働省の調査によると、うつ病などの気分障害にかかる割合は5~6人に1人)」と認知されてきたように「統合失調症が脳の病気」と世間に認知され、早期診断、早期治療でその後の生活が全然違うということを広く知ってもらおうと、母との31年間を漫画にした本です。利用できる社会資源についても紹介してあります。てんかんや発達障害等も誤解や偏見の多い病気ですが、先ず正しい知識を持つことが大切であると痛感させられます。病院の本棚に置いていますので読んでみてください。中村 ユキ 著 サンマーク出版 1,260円。

創作人形展とフラワーフェスタ

 15日は、それまでの天気が嘘のような春らしい一日でした。両親を連れて県総合博物館に高橋まゆみ創作人形展「故郷からのおくりもの ふたたび」を見に行きました。人形の表情の豊かさ、醸し出す何ともいえない雰囲気、こんな時があったなぁ、こんなおじさん、おばさん、おじいさん、おばあさんいたなぁ、なんて思いながら見ていくうちに何ともいえない温かい気持ちになりました。効率を追求してきて得た経済と科学技術の発展の恩恵と引き替えに、何か大切なものを置き去りにしてきたのではという思いも少しよぎりました。父母もいろいろ感じることがあったのか、『良かった、見れてよかった』と喜んでいました。人形の写真集「故郷からのおくりもの」も購入しました。本棚に置いておきます。行きそびれた方は、どうぞご覧になってください。
 その後、フラワーフェスタで賑わっているフローランテ宮崎にも足を伸ばしました。駐車するのに少し待つほどの賑わいで、園内ではチューリップをはじめ、色とりどりの花が咲き誇っていました。芝生の青、そこで弁当を広げている家族、遊び回っている子ども達、まんさくの赤が青空に映えていたのも印象的でした。『自分の子ども達が小さい時は公園に連れて行って遊んだけど、最近はほんとこういうところに行かなくなったね』と話しながら広大な園内を見て回りました。このときの写真、待合に飾ってみました。県総合博物館に行ったのも初めて、まゆみさんの人形を直にみたのも初めて、なんとフローランテ宮崎に行ったのも初めての初めてづくしの一日でした。

出会いと別れ

 外来でも「転勤になりました。紹介状を書いてください」と頼まれる時期になりました。一抹の寂しさと、転居先でつつがないことを願う気持ちと・・・我が子の旅立ちの時と同じですね。
 さて、当院のスタッフにも、今月出会いと別れが。今日14日には受付で頑張ってくれた浜砂さんが退職し、新たな道に進みます。ありがとうございました。新天地でも活躍を!また、今月末には2年間児湯准看に通いながら看護のお手伝いをしてくれた矢野さんも、高看を目指し宮崎を離れます。そして、3月からは新しいスタッフ、西川さんが仲間入りしました。専門学校卒業したてで、社会人としてもピカピカの1年生です。御迷惑をおかけすることも多々あるかと思いますが、我が子の成長を見守るように温かく育てていただければと思っております。よろしくお願いいたします。フレッシュな風を吹き込んでくれることを期待しています。

新しい日本脳炎ワクチン

 新しい日本脳炎ワクチン(以下新ワクチンと略)について安全性も含め書いてほしいというリクエストがありましたので、今回はこのことについて。※新ワクチンはまだ発売されておらず、入手できるのは5月頃になる予定です。
 さて、新ワクチンは「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン製剤、商品名ジェービックV」といいます。従来のマウス脳由来ワクチンと異なり、アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞を使用して製造します。そして、この度、厚生労働省の「予防接種に関する検討会」で以下の決定がなされました。
1)日本脳炎ワクチンを定期接種ワクチンに組み入れる。
2)現在行われている「定期予防接種の積極的勧奨を控える措置」については、供給や接種の体制の構築に時間がかかるため、この措置は当面維持する。
3)9歳以上13歳未満のⅡ期については、安全性が確立していないので、新しいワクチンは使用できない。つまり、Ⅱ期は従来のワクチンを使用するように。 これを踏まえてか、もう製造できないと思われていた従来の日本脳炎ワクチンももう少し供給されるようです。
 さて、新ワクチンの安全性に関しては実際始まってみないとわからないとしか言いようがありません。少なくとも、認可されるまでの接種では重篤な副反応は出ていないということです。それもあって、Ⅱ期に関しては、今年からⅠ期を受けた人たちの結果を踏まえてという考えがあるのでしょう。ただ、皆さんが一番心配されるのは積極的勧奨を控える原因となったADEM(急性散在性脳脊髄炎)という病気が、新ワクチンでは発生する可能性があるかないかという点ではないかと推測します。それで、そのことについて少し記します。ADEMという病気は、もともとなぜそういう病気になるのかがはっきりわかっていない病気ですが、なんらかの感染後に発症したものを1)感染後ADEM、ワクチンを接種した後に発症したものを2)ワクチン接種後ADEM、原因がはっきりしないものを3)特発性ADEMというふうに分けています。小児では頻度的に1)の感染後ADEMが最多です。小児では感染の機会が多いので、予防接種を受けた子どもにも感染後ADEMの紛れ込みがあり得ます。理論的にはどのワクチンでも起こりえますし(もちろん、その頻度は低く、ADEMそのものが重篤なケースはまれなのですが)、実際日本脳炎以外のワクチンでも起こっています。ただ、1),2),3)すべてをあわせたADEMの発生が人口10万人あたり、2.5人(100万人で25人)と言われていることからすれば、ワクチンによる発生が多いというわけではありません。たとえば、従来の日本脳炎ワクチンは、毎年400万人に接種されてきたワクチンです。マウス脳由来のワクチンだから重篤な副反応がおきたとはとても思えないというのが実感で、個人的には従来の日本脳炎ワクチンも安全性の高いワクチンだと思っています。今はただ、新ワクチンが従来のワクチン以上に副反応が少ないことを願わずにはいられないという心境です。
 ☆日本脳炎の大部分(過去9年間で46例)は、九州・沖縄地方(41%)及び中国・四国地方(43%)で発症しています。豚の飼育の特に多い児湯地域(宮崎県全体の1/4以上が児湯地域で飼育されている}もリスクが高いと思われます。
 *厚生労働省は、日本脳炎のリスクの高い地域の人々には「戸外に出る時は、できる限り長袖、長ズボンを身につける等して蚊に刺されないように」指導するようにと我々に通達してきています。それで、防げる人は受けなくていいと思われます(ナンセンスではありますが)。
 

知識のワクチン 新型インフルエンザ(2)

3月8日日曜日は、宮崎市で県の小児科学会総会が開かれました。結構年を召されたDrが、子供を取り巻く環境改善のためにまだまだ情熱を持って活動されている話に元気をもらってきました。さて、今回は対策編です。新型インフルエンザのパンデミックが発生すると、感染拡大を防ぐべく、外出規制が行われ、また物流の停滞が考えられるため、発生前に準備することの一番は、食料・水・日用品の確保と備蓄です。最低2週間分程度の備蓄が勧奨されています。赤ちゃんがいる場合は、ミルクや離乳食、おむつ類の準備も必要でしょう。ライフラインが止まる可能性も指摘されています。お湯を沸かすためのカセットコンロとガスボンベも重宝しそうです。ここまでは、地震や台風の自然災害時の備えと一緒ですね。後は、実際、熱が出た等体調不良の際にどうするかですが、慌てて受診するよりは、先ず保健所などの発熱相談センターに電話で相談するのがよいでしょう。そこで新型インフルエンザを考えて、指定の医療機関に受診するかどうか判断ということになりそうです。どうしても必要なとき以外は外出を控えましょう。また、マスクも準備しておきましょう。石油危機の時のトイレットペーパーのように、いざ新型インフルエンザ発生となるとたちまちマスクが手に入りにくくなると思われます。今冬ですらある会社のマスクが品切れになりました。
 

知識のワクチン 新型インフルエンザ(1)

 愛知県で鳥インフルエンザが発生しました。幸い弱毒性でよかったですね。今回は新型インフルエンザに関して少し書いていきたいと思います。いつ起こってもおかしくないと言われていますが、なかなか実感しにくいですね。ただ、宮崎では東国原知事誕生直後に鳥インフルエンザ騒ぎ(強毒性)があったので、他県よりも感じ方が違うかもしれませんね。さて、【新型インフルエンザとは】従来人に感染することがなかった鳥インフルエンザAウイルスの不連続変異により、人から人へと容易に感染するようになった新しいヒト型インフルエンザが出現することです。1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜと新型インフルエンザが出現しています。そして、今1997年香港で小流行し、2003年からベトナム、その後東南アジアだけでなく世界でみられだした鳥インフルエンザA/H5N1が新型に変異するのではないかと心配されています。※スペインかぜ(1918~1920年)の被害は、世界規模でみると世界人口18億人中感染発症者5-10億人、死者4000~8000万人、日本では人口5500万人中2300万人が発症、死者38-45万人といわれています。【パンデミック(世界的な流行)が発生したら】次のような事態がおきると言われています。1.感染者数は、人口の25%以上2.感染リスクがあり、外出できなくなる。公共交通機関が止まる。3.多くの患者が医療機関に殺到し、一般の医療や救急医療等に支障を来す可能性がある。4.学校が閉鎖され、児童、生徒は自宅にいることになる。5.企業もかなりの従業員が罹患、または家族が罹患し、会社に行けなくなる(会社機能の麻痺)。6.流通の停滞で、種々の生活必需品が不足して手に入らなくなる。1の感染者数の予想以外はなんとなくわかる気がしますね。次の機会に対策編を。
☆3月8日(日) 午前9時から10時30分 臨時診療します。お困りの方はどうぞ。

やけど

 先日来、やけどの子どもさんが時間外に何名か来院しています。昔は、ストーブややかんのお湯でのやけどが多かったのですが、最近は蛇口をひねると熱湯が出てくるタイプがあります。また、ジャーの蒸気でのやけどもあります。国民生活センターの調べでは、やけどの77%が10才未満の子どもだったということです。生後12ヶ月以上、18ヶ月未満が最多で23.6%、2歳以下の乳幼児で全体の61.8%を占めています。同センターは、特に電気アイロンに注意を促しています。電気切断後は、使用中のランプが消えてしまって、高温が続いていることが外からはわからず、子どもが手を触れてやけどをおうケースがあるようです。電源切断後も100分高温が続く製品もあったとのこと。乳幼児のいる家庭では、使用後は速やかに片付けてください。また、湯たんぽによる低温やけども報告されています。湯たんぽは、カバーをつけた状態でも6時間以上45度を超えた状態が続くようですが、低温やけどは44度で3時間20分、50度(50度が12時間継続する湯たんぽもあるようです)では2分45秒という短時間でおきるそうです(兵庫県立生活科学総合センター)。ちょっとの不注意が、一生残る身体と心の傷を負わせてしまうこともありますので気をつけましょうね。