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よいお年を!

 いよいよ大晦日。激動の一年が終わろうとしています。私にとってもちょっとした一年でした。この夏に、開業して初めてという身体の変調を来し、この冬が乗り切れるかと心配した時期もありましたが、何とか無事に一年を締めくくることができました。支えて頂いた皆様にお礼申し上げます。
 また、今年はブログを始めた年でもあります。月1回の『すこやか通信』では、伝えきれないことや休、祭日の臨時の診療のお知らせ等、今までやれなかったことが少しずつできはじめたのではないかと思っています。ブログを始めることを勧めて頂いた恩師や、つきあってくださった皆様に心から感謝申し上げます。また温かい拍手やコメントをお寄せくださり、大変嬉しく、またありがたく思っております。来年もよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください
 ☆明日、元旦は『休日在宅医』です。新たな気持ちで来年も頑張ります。

赤ちゃん連れの旅行

 昨日、初孫が我が家にやってきました。おじいちゃん、おばあちゃんが孫をかわいがる気持ちがわかります。無条件にかわいい。自分の子どもを育てる頃は、自分自身学ばねばならないことが多く、かわいがる心のゆとりがなかったからなおさらかもしれません。さて、赤ちゃんや幼児を連れてで出かける場合は、スケジュールに十分な余裕を持たせてくださいね。ゆっくり休憩しながら旅行しましょう。車での移動の際は、2時間を目安に休憩しましょう。飛行機での旅行の場合は、離陸と着陸時の気圧差で航空性中耳炎を起こすことがあります。子供の場合は大人と比べなりにくいようですが、離着陸時に授乳するといいでしょう。懐かしい人との出会いでついつい夜遅くなることもあることと思いますが、赤ちゃんを夜遅くまで連れまわしたり、酒場やタバコの煙が多いところに連れていくのはやめてくださいね。それと、長時間外に出っ放しも避けてください。こういう時こそ、おじいちゃん、おばあちゃんに甘えて夫婦でリフレッシュを。預かる方も結構まんざらでもないと思いますよ。最後に、出かけるときは母子手帳と保険証は必ず持参しましょう。

チャイルドシート

 年末年始、里帰り等で長距離の移動が多くなる時期ですね。我が家も、もうすぐ長男夫婦が生後5ヶ月の初孫を連れて帰ってきます。日本でも2000年4月から、6歳未満の子どもに対してチャイルドシートの着用が義務づけられましたが、子どもが巣立った我が家ではチャイルドシートは使ったことがありませんでした。また、必要になるとも思っておりませんでした。車での帰省なら本人達が持っているでしょうが、今回の里帰りは車ではありません。孫を迎えに行くにも、どこかに連れて行くにもチャイルドシートが必要になります。自分に小さい子どもがいなくても、チャイルドシートがないと困ることがあるのですね。必要に駆られて調べてみたら、交通安全協会で無料貸し出しをしているのですね。さて、そのチャイルドシートについて日本小児科学会から3つの提言が発表されました。提言1では、チャイルドシートの選び方、使い方、装着方法、子どもの乗せ方について 提言2では、新生児が医療機関から退院する場合の車での安全な移動について 提言3では、早産児と低出生体重児の車での安全な移動について述べられています。簡単なパンフを作成しました。ご利用ください。また、詳しい冊子を待合で見られるようにしています。

トランス脂肪酸

 クリスマスも近づき、バーガーやフライドポテト、チキンなどを食べる機会が増える時期ですね。この時期、脂肪酸の取りすぎに注意が必要です。脂肪酸は食品中の脂質の主要成分ですが、これにはいくつかの種類があります。
1)飽和脂肪酸:牛肉やバターなど動物性食品などに多く含まれている脂肪酸です。とり過ぎると、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化をまねく一因になります。
2)一価不飽和脂肪酸:植物性の油脂であるオリーブ油やなたね油(キャノーラ油)に多く含まれる脂肪酸で、オレイン酸が代表的です。
3)多価不飽和脂肪酸:主に植物油(コーン油や大豆油等)や魚に多く含まれます。体の中で合成できないため、食べ物からとらなければならない必須脂肪酸のリノール酸はコーン油、大豆油などに多く、α(アルファ)-リノレン酸はしそ油、えごま油などに多く含まれます。その他に、脳の発達や機能に関与したり、血液をさらさらにして動脈硬化や心疾患を予防したりするドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸などは主に魚に含まれます。
4)トランス脂肪酸:植物油に水素を加えて固める時に発生する油で、マーガリンやショートニングに多く含まれ、超悪玉脂肪酸として現在問題になっています。。老化、酸化しやすく、日持ちが悪い不飽和脂肪酸の欠点を補うべく、多くの加工食品や揚げ物、ファストフードの食事等に多用されています。トランス脂肪酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL-コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が格段に増加します。心疾患予防、肥満の予防のためにも多価不飽和脂肪酸をとるよう心がけ、トランス脂肪酸(ファーストフードや、バーガー、フライドポテト、フライドチキン等に要注意)を極力とらないようにしましょう。
*ニューヨーク市では、トランス脂肪酸の使用は、全面禁止になりました。

九州外来小児科学会に参加して

 12月14日九大医学部百年講堂で行われた学会に参加してきました。そこでの知見のいくつかを簡単に紹介します。
 1.RSウイルス感染症に合併した急性中耳炎は、再燃や難治化する傾向がある。
 2.複数ワクチンの同時接種を日常的にされている小児科医院からの発表
  1)年間11,636名中約1割に相当する1,006名が同時接種を受けていた。
  2)例えば、水痘+おたふくかぜ、日本脳炎+二種混合、BCG+三種混合等。
  3)特別な副反応もなく、アンケート調査でも病院に行く回数や、副反応を心配する期間が減って
   よいという意見が多かった。
  ☆Hibワクチンも三種混合やインフルエンザ等他のワクチンとの同時接種が認められています。
   これからはHibワクチン以外にも同時接種が増えるかな。
 3.宮古島では、小中学生に公費でインフルエンザの集団接種を行ったところ、インフルエンザに
   かかった人が前年の1/10に減少した。また、MR,3,4期の接種率も今年も90%前後と高率を
   維持している。
 4.流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)で心筋炎を起こして心肺停止をきたしたケースがある。
 5.包茎で手術を必要とするケースはかなり減少(ステロイド軟膏の塗布で80-90%軽快)。
  今年も、看護師、保健師さんの発表もあり、元気をもらった学会でした。
  
 
  
 
  

年末年始のお知らせ

 クリスマスソングを聞く機会が増えるといよいよ年末という感じで、せかされるような気持ちになりますね。さて、当院の年末年始の診療日および休診日のお知らせです。
通常とは異なる場合もございますので、ご注意下さい。
臨時診療に関しては、今後もブログでその都度お知らせ致します。

12月23日(火 祝) 午前9:00~10時半 臨時診療 お困りの方はどうぞ。
12月28日(日) 終日病院の大掃除。 休診。
12月29日(月) 午前8:30~12:00 午後2:00~5:00まで診療。
12月30日(火) 午前8:30~10時 臨時診療 お困りの方はどうぞ。
12月31日 休診。
1月1日 午前9:00~12:00、午後2:00~5:00 休日在宅医です。
1月2日から4日まで休診。
1月5日(月)から通常診療です。

 

MR2期

 高鍋のMR(麻しん、風しん)ワクチン3,4期の接種率が低いことは先日ブログで述べましたが、今回12月1日回収時点でのMR2期(小学校入学前の年長さんで受ける分)の接種率の全国集計結果が出ました。県別で言えば、全国トップは福井県で67.4%。さて、我が宮崎は何位だと思われますか?な、な、なんと全国最下位(>_<)。接種率40.0%という低さ。全国平均が51.2%。流行を防ぐためには、ほど遠い数値です。公費負担がある期間は、あと3ヶ月しか残っていません。近くに、入学前のお子さんがいらっしゃったらぜひ声掛けしてくださいね<(_ _)>。
2012年の麻疹排除にむけて はしかにならない!はしかにさせない!を合い言葉にMRワクチンの接種率をあげましょう。

発達障害

 「子供が発達障害です。発達障害が人ごとじゃなく身近だということを、本かプリントなどで伝えて理解してほしいです。」という‘いーめーる’が11月に入っていました。そこで、このブログで取り上げてみたいと思います。「発達障害」は心身の発育発達の途上に起こる脳の機能障害のために子どもが生活していく上での「不適応」、「困難」を生じている状態で、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD),視聴覚障害、言語発達遅滞等があり、知的な遅れを伴う場合から知的な遅れのない人まで広い範囲を含んでいます。5歳児健診での軽度発達障害の発生頻度は9%前後で決して少なくありません。しかし、身近ではあるけれども社会の中で十分に知られていないことも事実です。「発達障害」のある人は、特性に応じた支援を早期に受けることができれば十分に力を発揮できる可能性がありますが、従来はその支援体制が十分ではありませんでした。このような背景を踏まえ、発達障害について社会全体で理解して支援を行っていくために、平成17年4月に「発達障害者支援法」が施行され現在に至っています。宮崎でも宮崎市に総合発達支援センターが平成15年4月に開設されましたが、フル回転しているというのが実情です。
 さて、発達障害を理解するための本は数多く出ていますが、以下の本はイラストを多用し、子ども自身も学べるようになっています。病院の本棚に置いていますので読んでみてくださいね。見つからない時は、受付に尋ねてください。
☆『なぜ?がなるほど!に変わる本-知ればなかよし 発達障害のお友達』 成田奈緒子 著 ブレーン出版 本体950円
『発達と障害を考える本 12 発達って、障害ってなんだろう?』 日原信彦 監修 ミネルバ書房 本体1,800円

開院記念日

 昨日12月6日は当院の開院記念日でした。恥ずかしながら私はすっかり忘れていて、スタッフから“おめでとうございます”と言われ初めて気づいた次第です。待合用に木のおもちゃもプレゼントしてくれました。前婦長もお祝いのケーキを持ってかけつけてくれました。ありがとうございました。平成9年に診療をはじめて12年目に入ります。カルテが1万8千人近くになり、それだけの子ども達やご家族との出会いがあったことになります。当時赤ちゃんだった子どもは、小学6年生。小学校高学年だった子どもは、大人の仲間入りをしている年齢です。感慨深いものがあります。これからもよりよい診療所を目指しスタッフ一同頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 さて、今日は今期最後の日曜日のインフルエンザ予防接種でした。今年は流行が少し早いようです。間に合ってくれるといいのですが。午後からは、県小児科の理事会で宮崎市へ。11日の木曜は午後新富の乳児健診、夕方から児湯医師会の理事会に参加、その夜は急病センター当直、週末は福岡の外来小児科学会に参加と忙しい週になりそうです。皆様も体調管理に気をつけて、この師走を乗り切ってくださいね。

イオン飲料多飲で脚気(かっけ)

 熱が出たり、嘔吐下痢の時にイオン飲料を利用している人が多いですね。最近は水を飲むよりましだとイオン飲料を水代わりに飲ませている人も時々みかけますが、糖分の取りすぎという意味でもよくありません。イオン飲料が意外と腸管からの吸収が悪いことは、このブログの「経口補水療法」のところで述べましたので参照してください。さて、今度の小児科学会の専門誌にイオン飲料の取りすぎで脚気(かっけ)になった1歳の乳児例が報告されました。脚気はビタミンB1欠乏で起こる病気で、この病気を栄養障害の一種と断定したのが宮崎の高岡出身の高木兼寛(東京慈恵医大創設者)です。初期症状は活気がなくなり、悪心、嘔吐、食思不振等が出現、今流行中の感染性胃腸炎とまぎらわしいですね。進むと痛みを伴う末梢神経炎で歩けなくなったり,声がかすれたり、ひどいと脚気心による心不全で亡くなった例もでています。過去の病気と思っていましたが、今でもあなどれないようです。クリスマス会等みんなで飲んだり食べたりする機会も多くなる時期です。清涼飲料水の取り過ぎでもおきています。同様に注意してくださいね。

咳エチケット

 11月25日の連休明けと昨日の月曜日はとても忙しく、外来が混雑し来院された方もびっくりされたのではないかと思います。待ち時間が長くなった方もおられたことと思います。この場を借りてお詫び致します。連休明けはまだしも、昨日はまだインフルエンザは流行していないのにどうして?という感じです。その反動か、今日はとてもゆったりして待ち時間はほとんどありません。小児科は夏少なく冬多くなる傾向があるのですが、週単位でもまた日単位でも波があります。午前は朝早い時間は予約が詰まっていることが多いのですが、10時半を過ぎると少なくなる傾向があります。午後は5時を回る頃から混み始める傾向があるようです。この文章を診察の合間に書いていたら、国立感染症研究所が2日全国5000の医療機関から報告されたインフルエンザ患者数が、先月17~23日の週に急増したと発表したとの報道。過去10年で最も早く流行入りした昨季に次ぐ多さということです、今多いのは山梨、島根、和歌山。10歳未満だけで過半数を占めています。岡部信彦・感染症情報センター長は「今なら、対策がまだ間に合う」として予防接種やうがい、手洗い、マスクの着用などを求めているとのこと。インフルエンザの予防だけでなく、「咳・くしゃみの際にはティッシュなどで口と鼻を押さえ、周りの人から顔をそむける」「症状のある人は、マスクを正しく着用し、感染防止に努める」等の咳エチケットは、みんなが実践して欲しいですね。