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SNSと子どもの健康

 11月25日(土)は、午後休診のせいもあって午前中かなり混雑してご迷惑をおかけしました。おかげさまで無事出席出来、7年ぶりに再開できた先生もいらして旧交を温めることができました。ただ、長崎まで車で5時間以上、遠かったですね。
 さて、小児医学研究振興財団からWeb市民公開講座の案内が来ました。『SNSと子どもの健康』というテーマで公開期間は令和6年3月までです。以下のチラシにサイトのアドレスとQRコードが記載されています。無料で視聴可能です。好きな時間に好きなだけ視聴できるのは魅力ですね。ちょっとした隙間時間に覗いてみてください。
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高鍋町小・中学校合同学校保健委員会

 16日14:30から16時まで高鍋美術館で開催されました。対面での研修会は実に4年ぶり。講師はテレビやラジオでもおなじみの串間市民病院の江藤敏治院長が『自己実現を導く効果的な目標設定~子どもの夢を叶えるために大人ができること~』と題して講演。今まで夜間開催で今回初めて昼間開催しましたが、多くの参加があり盛会でした。子どもの夢を実現するためには保護者が健康であることから始まり、生活習慣、故日野原重明先生の「ラ音の挨拶」、大谷翔平の目標達成シートにも挨拶やゴミ拾い等あることを紹介し、はっきりとした願望や目標を持つこと。そしてこの価値ある願望や目標を達成するために、燃えるような意欲を育むこと等、夢を叶えるためにどうすべきかユーモアを交えて話されました。元気をもらえた講演でオンラインでは得られない雰囲気を久しぶりに味わえました。私も元気な「ラ音の挨拶」で一日を始めようと思いました。

令和5年度第1回『かかりつけ医等発達障害対応力向上研修会』

 12日午前9時から発達障害対応力向上研修会が県医師会とWEBのハイブリッド方式で開催されました。発達障害の診療に関わる医療機関が限られている現状を踏まえ、発達障害の研修を行うことで、診療を行う医療機関の確保につなげ、発達障害の早期発見・支援を図る目的です。支援の大きな目標は当事者の生きづらさを減らすこと、二次的な障害の悪循環を絶つこと、そして家族への支援。そのための実際の流れを研修しました。研修を受けたからといってすぐうまく対応できるとは限りませんが、対応力を向上させ少しでも生きづらさをかかえている子ども達の助けになれるよう努力していきたいと思います。

小児科医会秋季学術集会

 15日午後2時から開催されました、一般演題2題に続いて特別講演が2題。最初に宮崎大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室の高橋邦行教授が「知っておきたい小児の難聴とめまい」と題して講演。難聴の頻度は1,000出生当たり1人の頻度。原因としてはサイトメガロウイルス感染が約2割。生後6ヶ月以内に難聴と診断され、早期に治療できると言語獲得できるとのことでした。もう一つの講演はとみもと小児科クリニックの冨本和彦理事長が「子どもの便秘は町医者の手で」と題して講演。子どもの便秘病態は、排便我慢に始まる硬便の形成、排便時痛や出血から排便我慢の悪循環によって作られ、これが繰り返され、学習することによって成人の便秘につながる可能性がある。子どもの排便は踏み台を用意して前傾姿勢をとる和式便器の排便姿勢で排便しやすくなるとのことでした。(先生の提示されたスライド参照)
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園医部会総会

 2日(月)夜7時~県医師会館で園医部会総会が開催されました。昨年同様現地とWEBのハイブリッド開始後なりましたが、今回は昨年以上の参加があったようで、食物アレルギーや発達障害への関心の高さが伺えました。特別講演Ⅰは「小児のアレルギー疾患への理解と対応」と題して宮大医学部発達泌尿生殖医学講座小児科学分野助教の山元綾子先生が登壇。近年増えている食物アレルギーの知識やアナフィラキシーへの対応等を話されました。宮崎大学で食物負荷試験が外来でも入院でも対応可能になったこと。IgE検査陽性=食物アレルギーではないことを特に強調されていました。また、エピペンを持っているお子さんがアナフィラキシー症状を呈しているがどうか迷ったら、エピペンを使用すべき。その方が利益が大きいこと。エピペンを持っていても使う機会がないと正しい使用法を忘れることがあるので定期的に使用法を再確認することが必要なことを話されました。特別講演Ⅱは「発達が気になる子の対応ー園でできる発達障害支援を考えるー」と題して宮崎市総合発達支援センターおおぞらの副センター長の重黒木真由美先生が登壇。講演で印象に残ったことを以下に記します。☆発達障害で大切なのは早期診断ではなくて早期支援。早期支援の目的はストレスやトラウマを避けて二次障害を防ぐこと。そこで講演の中で園でできることを2枚のスライドに要約されたので紹介します。園でできること①“わかった”“できた”伝わった”を増やす安心できる環境の担保・人と楽しむ、人への期待を育てる。・確実にできることを保障、成功するような工夫。・苦手なことは無理強いしない、スモール・ステップ。・相談してうまくいった(人を頼る)という経験 園でできること②保護者支援 保護者が安心して相談できる環境作り、保護者も育てる。 ・保護者の思いやニーズをきく、簡単に否定・断定しない。・質問をしながら情報整理。園から伝える場合は客観的な情報を具体的に。 発達障害をみる小児科医にとっても示唆に富む講演でした。